中国内陸部での洪水はなかなか治まらない。

中国には日本の国土がいくつも入ってしまうような盆地が有る。

異常気象で降り続く雨は出口を見つけられずに農地や市街地に溢れている。

長江(揚子江)に有る三峡ダムが決壊するというような噂も伝わってくる。

決壊というのが水が堰堤を越えてあふれ出すことを指すのか、堰堤が崩壊することを指すのか不明だが、もし後者であるならその影響は考えただけでも恐ろしい。

被害は数億人に及ぶはずだ。

孫文以来の中国の国家的悲願であった山峡ダムは世界一の水力発電所を持ち中国経済を支えている。

万一ダムが崩壊するようなことが有っては中国の損失は計り知れず世界もその煽りを受ける。

中国が立ち直るにはダム建設を決意した時点に戻るくらいの時間が掛かるかも知れない。

大陸に於ける水系は箱庭に水道水を引いたような日本の水系とは比較にならない広大な面積になる。

そこを人工的に小細工しようなどという大それたことは、正に竹槍で戦車を相手にするように無謀なことで、中国共産党はその過ちに気付いたが事すでに遅かったのかも知れない。

ダムを作ると発電や治水で人の役にも立つが水没による犠牲者も多い(移住者100万人以上)、それと、ダムが無かった場合の流水量は絶対確保出来なくなるのだ。

どれだけ工夫してみてもダムの堰堤は川の流れの邪魔になってしまう堰でしかないのだ。

満タンになったダムはもうそれ以上何も為す術を失い、自然のなすがままに洪水被害拡大の片棒を担がされる。

長い歴史の中で洪水被害を何度も経験してきただろう中国が、よりによって長江という大河を堰き止めようなどとは無謀に過ぎたのではないか。

人民の統制は何億人いても可能だろうが自然は思うようにはならない。

花子、「堰堤が歪んでるらしいから自然崩壊ね」

太郎、「C4火薬は要らんな」

花子、「上海株が急落したら崩壊のサインね」

太郎、「そう、市場も水没するだろう」

 

 

 

 

 

 

番外                   銘:濁流に浮かぶ球

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