昔、漆塗りの仕上げをするときには小舟に材料を載せ湖の真ん中に行き塗ったそうだ。
地上ではどうやっても空気中の埃を防ぐことは出来なかったからだ。
一点の曇りも無い吸い込まれてしまいそうな奥深い製品を作るにはそのようなことが必要になる。
自動車の生産工場が様変わりしていることは従業員だけで無く広く世間の知ることとなっている。
過去には製鉄所や鋳物工場のような埃っぽい環境であったのが現在はクリーンルームの清浄環境になってきた。
自動車工場だけではない、電機の半導体や液晶の工場はずっと過去から既にクリーンルームであった。
其処に出入りしてみると”本気の本気”であることが解る。
下着以外全部を着替え防塵服やマスクを着用し手を洗いうがいをし何度も何度もエアシャワーを浴びて始めて入室が許可される。
そのような生産現場が数限りなく出来上がっているのが現在の工業国である。
3/11のときF1の4号機で燃料プールの水が蒸発し日本は無くなるだろうと世界は予想した。
自衛隊や消防が食い止めようと決死で放水活動をしたが効果は無かった。
危機を救ったのは「キリン」と呼ばれるコンクリートポンプ車だった。
キリンを所有していた建設業の社長はその様子を見て「これ以外に救える物は無い」と確信して提供を申し入れたという。
世界中で医療崩壊が起こり始めている。
その医療現場の様子を冷静に見ている人たちが会議室に居る。
「これは”本気”なのか?」と、
そう感じてしまう感染病治療現場の貧弱な設備を見ている。