ワードレオナード制御という、死語になりつつあるエレベーターの制御方式が有る。
ちびっ子たちはもちろん初めて聞く言葉であろう。
昔、エレベーターには交流モーターと直流モーターの2種類が使われていた。
インバータ制御が生まれる前は交流モーターの速度(回転数)制御は出来なかった。
交流モーターの回転数は120f/Pで決まり、4P(ポール)60Hzでは1800/rpmの一定となる。
回転数一定の動力源で乗り物を作るのはとても不都合で、良い性能は得られない。
そこで高価だが直流モーターを使った速度制御が緻密に出来るエレベーターが有った。
それがワードレオナードと言われた速度制御方式である。
エレベーターを動かす直流モーターと発電機が直結されており、発電機側の界磁を制御して大きな出力のモーターの速度制御をする。
界磁の加減は小さい電力で可能なので、言わば小手先で怪獣を操れる訳だ。
その小手先の加減を誤るとオーバーシュートと言われる暴走が起こる。
もう引き返せない、コントロールを失った状態を表す言葉だと認識していた。
恐ろしいけれども原発の現場でも稀に使われる言葉ではないかと思う。
私は違和感を持つがその言葉を最近よく耳にする。
まさか「もう引き返せない点を過ぎてしまった」とは思ってないのだろうけど。