私は桜より梅の方が好きだと書いたけれど、山に自生する自然の桜は好きである。

人工的な匂いを感じるピンク一色の風景は嫌いだけれど、山の緑と混ざり合った桜はとても綺麗だと思う。

日本に自生する野生の桜は、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、チョウジザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラ、以上の10種だけである。

このうちクマノザクラはオオシマザクラ発見以来約100年ぶりに発見された新種の桜であるそうだ。

 

「もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし」

※訳:私がおまえを愛しむようにおまえも私を愛しいと思ってくれよ山桜、 (こんな山奥では) おまえの他には私を知る人は誰もいないのだから。

百人一首にあるこの歌は前大僧正行尊(1055〜1135)が大峰山や熊野の山中で厳しい修行中に、季節はずれの山桜に出くわして詠んだ歌であるとされてきた。

しかし、

クマノザクラが発見された今となっては、この歌に詠まれている桜はヤマザクラではなくクマノザクラであったと思った方が正しい(私の見解)。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%8E%E3%82%B6%E3%82%AF%E3%83%A9

そのようなことを知って桜を見ると、「桜もなかなか良いねえ」と思えてくるのだ。

尚、ソメイヨシノに代表される園芸品種の桜モドキは日本に200種以上存在すると言われている。