私は電気屋さんだと前に書いた。

そう、ずいぶん長いこと電気屋さんだった。

でも世間がとらえる広義の電気屋さんではなく、

もっと狭い一分野での電気屋さんだった。

だからつぶしが効かない

組織に属していないと何も出来ない。

だから皆65歳まで会社に雇用延長してもらって働く。

給金が半分にカットされても。

私は幸い?60歳定年で辞めなければならなかった。

それは私のプライベートな理由によってであって、

その障害さえ無ければ今も狭義の電気屋さんのままで居ただろう。

それが良かったか悪かったか今の私には未だ解らない。

 

先日の断酒会。

主催するI氏は世間で通用する普通の電気屋さんである。

雇用主は氏の息子さんである。

I氏は遠い過去に息子さんのことが一因でアルコール依存症となった。

その息子さんの素行はここに書けないほどの悪業ぶりであった。

その息子さんが今や氏の雇用主であり氏が信頼出来る関係となっている。

70歳半ばの氏は今、息子さんを立て過去の自分を反省し、今を充実して生きる。

そしてアルコール依存症患者を救おうと一生懸命になっている。

なんと逞しい人生なんだろう。

過去に囚われていては絶対に出来ない生き方である。

「人間のスケールが違うな」

と、つぶしの効かない電気屋さんは思うのです。