何処にでもあるホームセンターのだだっ広い店内で商品の列を眺めてブラブラしてたら、

遠くに火の手が上がるのが見えた。

商品の毛布が燃えている。

「火事だ~」

咄嗟にに駆け寄って燃える毛布を丸めて床にたたきつけて火を消した。

化繊の毛布が解けて手に付着し、アッチッチ。

すんでのところで大火事にならずに済んだ。

駆けつけた店員に、

私、「放火じゃ、モニターカメラは?」

店、「此処には付けてないんです」

私、「消防と警察に通報して」

消防署はホームセンターの前、警察署は200mと離れていない。

田舎の店員はおっとりしていて動きが遅い、危機管理出来ていないな~。

やがて他の客も集まってきて取り囲まれた。

私、「放火だよ~。私が消し止めなければ全焼するとこやったで~」

そこでふと自分の身なりに目が行くと短パンにランニング、私が一番怪しそうに見えるではないか。

どうも雲行きが悪い。

まいったな~。

わしが消したったんやで火傷までして・・・

何年か前、田舎に帰っていたときの出来事である。

 

最近よくこのホームセンターで買い物をする。

結局、感謝も表彰も逮捕もされなかったな~。

此処の店が存続しているのは私のおかげなんだけどな~。

この事件を人に話すときには腕の火傷痕をさすりながら話すことにしている。

別件での火傷痕だけどね。