田舎はどこの家にも神棚が祀って有り、毎日ご飯が炊き上がると小さな器に盛って供えお祈りをすることになっている。
父母が在宅の頃その儀式は毎々欠かさず行われていたが私一人になってからは忘れていることが多い。
神棚には伊勢神宮のお札と地元の神社のお札が収められている。
お札は毎年年末に新しいものに取り替えられるのだが、今年は私の妻が亡くなっているため氏子総代のSさんが聞いてきた。
「今回はどうするね?」
一応、来年も家内安全(私一人だけど)、五穀豊穣(米作りしてないけど)でいきたいので
お札を2枚購入して取り替えておいた。
田舎の集落には元旦に裏山(と言っても南側だから表山というべきか)の頂上に登って初日の出を拝むという厄介な行事が昔から延々と行われていて、当番の家は其処に祀られている2体の祠や広場の掃除を行い酒肴の用意をし、皆が集まる前に火を焚いておかなければならない。
今回は私が当番であったが妻が亡くなっているのでパスすることが出来た。
めでたい行事なので不幸のあった家は参加出来ないことになっている。
来年何事もなく過ぎてゆくと私に当番が戻ってくるのでえらいこっちゃ。
来年は集落の組長も仰せつかっているので何かと退屈せずには暮らせそうだ。
今日いつものスーパーに買い出しに行くと今まで見たこともない人出に驚いた。
「こ、こんなに人が居たのか〜」
何しろ1軒しかスーパーないからね。