自転車店にて、
女性店員が親切に応対してくれて車種選定はスムーズ、もちろんシニア用自転車だ。
防犯登録をするので個人情報を書いてくれと言われた。
使用場所(田舎)の所轄署は大○署だが其処までわざわざ登録に行ってくれるの?配達エリア外なのに。
そう聞いたら、防犯登録を取り纏める協会が有って其処で登録をするそうだ。
私は田舎から100キロ離れたY市に住所が有るので、万一盗難されたとき大○署に届け出るのは不自然と思い父の名前で登録してもらうことにした。
すると年齢を書くようになっている、95歳で自転車に乗るのはとても不自然だから年齢は書かないよと。
そこから店員と私の話題は父のことに移っていく。
90歳まで車を運転していた、シニアカーに乗り替えたが今は母と共に施設に入っている、パソコンも使うハイテク爺さんなんだよ等々。
すると店員はお父様は運転経歴証明書を持っていないか?と聞いてくる。
何故かと聞くとそれを見せれば割引きが出来ると言う。
車の免許を自主返納して自転車に切り替える人への特典だと言う。
それは当局お達しの公的制度かと聞くと、その店独自で行なっている販促特典だと言う。
それはとても時流に沿った良いことをやっているねえ。
確かに父は運転経歴証明書を身分証明書として持っている。
しかし私はそれを持ってこなかったので父が持っているという証明が出来ない。
スキャンして何処かに保存したような気もするが私は父ほど几帳面でもハイテクでもない。
そこで、父に電話してメールで私に送れるかと聞く。
昼食中であった父は暫し待てと言う。
10分後に写真は送られてきた。
その写真を見た店員は、
「とても95歳とは思えない方ですね」
そう、父についてよく言われる反応が此処にもあった。
割引きが効いて帰りに和田金ですき焼き・・は無理な額かな。
女子店員と駄弁っていたらすっかり納車整備も終わり私の車に積み込まれていた。
「降ろす時に1人で降ろせますか?」
残念ながら私は父のように若くは見られず年相応の顔をしているらしい。
自転車はピンク色にした、私に似合わぬ色だけれど、
妻が好きだった色だから。