厚労省は医療費抑制の一環として公立・公的病院の再編・統合を促すため、対象となる病院のリストを公表している。
名指しされた全国424件の自治体や病院運営者は国から通知表をもらった訳だ、あなたの病院は成績の悪い病院ですよと。
各病院は期限までに対策を講じさせられる宿題を負った。
病院の成績とは一体なんだろうか?
ガンや救急対応等の高度な診療実績や病床稼働率などを論っているようだ。
これは効率や成果を追う経営の論じ方に通じるものであって医療を論じる性質のものではない。
医療機関は公的・民間に関わらず利益を追うことが第一であって良いはずがない。
医療はまず第一に人の命・健康を追うもので有って、2次的にその方法や効率へと続くものである。
医療費高騰を理由に人命・健康がないがしろにされることが有ってはならない。
そもそも医療を経営的に見る風潮が根付いてしまったことが大問題である。
高額な医療保険や介護保険に苦しむ個人もその風潮に流され受け入れてしまっているのではないか。
とは言っても高齢化と人口偏在の現実は大都市で勤務医の過酷労働を生み、地方では深刻な医師不足を生んでいる。
格差解消を口にするなら現在の問題が何故そうなっているのかこそを分析し解消しなければならない。
様々な問題点の中から手前勝手に都合の良いデータを拾い集めていては問題解決には遠い。
医師や看護師、各種療法士等が活躍しやすい環境を構築することが大切である。
現在の医療は装置依存の傾向に有り、少なくとも公立・公的病院は民間病院より充実した設備を保有している。地方の医療センターとして公立・公的病院の役割は必要である。
やがて来るAIを主体とした医療に向けても、その先駆けとして公立・公的病院という器は貧弱になってはならない。
今日父を連れて行く病院もそのリストに入っている、今後益々医療スタッフも病床も減ってしまうのだろうか。
私は本心からこう思う。
医療を始め社会福祉に回せる予算はまだまだ捻出できると。
無駄遣いをしなければ良いだけだ。
イージスアショアも、原発も、リニアも、オリンピックさえも私には無駄使いに思われる。
今の政治には絶望している、非国民と言われても構わない。
難病で亡くなった妻や、高齢の両親のことを思うと、もっと弱者に優しい世に成って欲しいのだ。
田舎の水道は未だ凍らない。