敬老の精神というものは薄れつつあるように思う。

私が子供の頃老人を敬うのはあたりまえのことだった。

経験豊富な大先輩として敬うのとはちょっと違う。

私は単純に、弱い立場として老人を見ていたように思う。

それが今、

世には元気な老人が多く、うっかり手を差し伸べると失礼になることも有る。

70代には現役の仕事人が一杯いる。

苦い思い出が有る。

知らない土地で同僚と深夜酒場に入ったら老人(?)で埋まっていた。

つい、「老人ホームかいな」、と、小声でつぶやいてしまったのが先輩達を痛く傷付けた。

絡まれて説教を賜ったのだがそこは酒の席、最後には皆で大合唱の手打ち。

印象として老人が多い町というのが有る、老人が外に出ていて良く目立つ町だ。

小じんまりした古い城下町にそんな風景を良く見るように思う。

車で入り込むと泣きを見るような細い荷車道に老人たちは安堵を覚えるのかな。

私も車の往来の激しい道路を避けて歩くようになってきたから気持ちが分かる。

老人にとって外に出ることはそれなりにリスクが有る。

先日も父の知人の葬儀に出席したが、一人川原で倒れているのを家人が発見したそうだ。

自由に徘徊(?)できることは

私もそうであるように、人はいつまでも若いつもりでいる。

こんな経験もある。

顔認証で推定年齢を測るカメラの前で、

様々に表情を変えてみたが何度やっても正確に年齢判定されてしまった。

少なくとも実年齢より若いと思ってはいけないようだ。

それでも90を超えるとさすがに敬老を享受する立場になれてくるようだ。