両親のホームの介護士であるNさんは意外な経歴の持主でした。
今日、私がホームを訪ねるとNさんが父のやっていた仕事について尋ねてきました。
父は長年に渡り山林の管理に携わってきたと教えるとNさんは語り始めました。
大阪の生まれで、20年前にこの村に越してきたのはここの自然環境が気に入ったからなのだそうです。
元々自然には惹かれていて、この村が進めていた山林維持の仕事に応募して数年経験した後、大阪南部の中山間地域に入り、其処はこの村よりも更に過疎化の進んだ疲弊した村であったそうですが、林業や農業を再興しようと、友人と事業を立ち上げたんだそうです。
友人は農業をNさんは林業を担当して、国や自治体からの補助金を原資に地主から土地を借り受け、都会から無賃いや逆に体験料を取って労働力?を集め地場産業の復興を計ったそうです。
その事業を友人に任せて又この村に戻ってきたのは、やはりここの自然環境が余程気に入ってしまったからであるらしいのです。
今は介護という、人と接する仕事なのですが、自然に接する仕事への指向性は変らず有るようで、奥様もこの村で自然体験をさせる仕事に携わっているそうです。
父はNさんからそのような話を聞き、早速あれやこれやと話し出しました、話し相手が出来て嬉しいのでしょう。
認知症のホームに入ってしまった認知症ではない父にとって、通じ合える話題での話し相手が出来たことはとても有難いことです。
私も以前からNさんに好感を持っていたのですが更に頼もしい存在となって嬉しいことです。