約40年前に建てられた木造家である。

もうすぐ発生する南海トラフ巨大地震で崩れ落ちる運命である。

南海トラフでは昭和19年に東南海地震、昭和21年に南海地震が発生した。

いずれも千人以上の犠牲者を出した同時発生地震である(プレート変動の時間スケールで見ると同時と言える)。

紀伊半島沖で発生した二つの大地震は沿岸部に津波被害をもたらし、そこに軍部の思惑も絡んで悲劇に泣いた人が多かったそうです。

祖母が「歩くことができずに這って逃げた」と話してくれたことがある。

ところがこのとき駿河湾沖ではプレート滑りが発生しなかった。

もう発生しても良い周期を過ぎているのに発生しないものだから、

単独型の東海地震として警鐘は早くから鳴らされ続けてきたが起こらない。

今となっては南海トラフ連動型地震として巨大なのが発生するだろうとなっている。

 その巨大地震が起こるまでの田舎屋の余命ではあるのだが、

みすぼらしく経年で痛んだ畳や襖を新しくすることにした。

田舎のことなので業者は限られ進行はスローだ。

「ぼちぼちやって貰えば良いですよ」と、言ってはあるけれど、

妻の初盆が控えている。

まさかね、そこまでは引っ張らないだろう。