忙しそうに走り回る軽トラの音に憂鬱を感じる私なのですが、
運転手の農家さんはエンジン音のように軽快な心情ではないようです。
私から見ると毎日やるべき仕事が有る軽トラが羨ましい存在に映ってしまうのですが、
農家さんのほとんどは「百姓やめたい」「田んぼなんか無ければ良いのに」と思っているのです。
多くても数反という山間地の農家さん達は農業で生計が成り立つ要素を一つも持ち得ません。
持っているのは年間数十万円の赤字(労賃やトラクターなどの購入費を考慮しない、苗・農薬・肥料等の年間必要な実経費だけで)を生む田んぼだけなのです。
サラリーマンを主とする兼業農家の多くにとって、田んぼはマイナス金利のお荷物資産という訳です。
幸い、”老後資金2000万円が必要”となる悲しい世代とは違い現在年金で十分食べていける人が多く、
田んぼは”年金と余暇を食いつぶす厄介者”が現実なのです。
「それならやめればいいじゃない」
と言われても、
そうは簡単にいかないから皆困っているのです。
軽トラの運転手さんも、実は憂鬱だったのです。