現在進行形

 父母が老健に入所して2週間。

畑の草が気になってきた。

母はこまめに草取りをしていたが、母が居なくなってから草は伸び放題だ。

少し頑張って抜いてみたが腰は痛いわ立ちくらみはするわ。

生垣のツツジも毎日散り花を拾い集めているが次から次へときりが無い。

去年、紅葉盛りのモミジの葉っぱを竹ボウキで全部叩き落としてしまった母に驚いたものだが、今やっと母の気持ちが理解できた。

わずかな敷地でも綺麗に維持していくには毎日毎日手間が掛かるものだと。

ところで、ツツジの花はその形のまま、椿の花同様にポトリと落ちているが落ちる瞬間は見たことがない。

風に舞う花びらは良く見るものだが風も無いのに重力で自然に落ちる瞬間を見ることは稀だ。

今日はバラの花が散る瞬間を見た。

風も無いのに花びらが1枚落ちると残りの花びらが重力によって次々と落ちていった。

最初の1枚が落ちることで数十枚の花びらで構成された花全体のバランスが崩れるような散り方だ。

その様は瞬間のポトッではなく、バラ・バラ・バラと連続し時間をかけた散り方なのだ。

散り始めた気配に目線を向けるとその散り様がつぶさに見れたのだ。

それは儚くも美しい不思議な感じであった。