次なるドキュメント

 月一回アルコール依存症専門のI医師のカウンセリングを受けていた。

I医師は私がスリップすることもお見通しであった。

一か月ごと断酒継続を報告すると「良く頑張れましたね」と握手してくれる。

3か月目に私は何を勘違いしたのか一区切りついた(都合良い解釈で)と思って飲んでしまった。

何かで3か月断酒出来れば成功だと聞いたように思っていた。

正直にそのことを言うと、I医師はニコニコして「又振り出しに戻って頑張りましょう」。

その後も何回かのスリップをする度に「脳の渇望感ですよ、本当に難しいでしょう断酒は」。

と言って励ましてくれる。

私も難しいものだと予測していたが自分の意思以外に断酒を継続するすべは無い。

長い試練になるんだな。

振り出しに戻ってしまった無念を感じながら又新たな誓いを繰り返すのだった。

その後かなり時間が過ぎ去ってからI医師は”特効薬”を出してきた。