次なるドキュメント
妻の往診を依頼したのは在宅医療専門クリニック。
若いイケメン院長率いる在宅医療を専門とする医療法人で、市民ニーズをつかんだ斬新な方向性はメディアに取り上げられることも多い。
この地方のM市元市長も医師として当時メンバーに加わっていた。
”人生の最後を自宅で”、”自宅で看とる”を謳い文句に10人程の医師が500人程の患者(契約先)を毎日巡回している。
Y市を拠点に周辺市町村を営業?エリアとし、もちろん24時間の対応が敷かれている。
医療をあえてビジネスとして見ると非常に目の付けどころが優れる。
大病院での勤務医の労働実態が取りざたされているが、この法人にはそのような過酷労働は有り得ない。
現に妻の担当医師はいつも妻を笑わせてくれる元気いっぱいの楽しい女医さんであった。
契約者の増加に伴い医師数を増やしていけばよいのだから医師の仕事量は何時も一定且つ安定的なのであろう。
医師個人の適性にもよるだろうが一般病院の勤務医よりよほど「おいしい仕事場」のように思う。
看護師とペアを組み毎日数件の契約先を回って稼いでくる。(何だか昔の自分の仕事みたいだな~)。
往診には距離加算が有ったりして”宅配医師ビジネス”とも言えそうである。
患者は高齢で余命カウントダウンの始まった人がほとんどであろう。
家族にとってはイザという場合に心強い。
今まで看取った契約者の数は一般の病院に比して率として非常に多い(当たり前だが)。
さて、この法人が医療保険だけで成り立っていると思うのは大間違いである。
契約者のほとんどは介護保険のお世話になっている。
そこで”医介連携”が行われるのである、良い意味ではない、医療報酬の負担元として連携させられるのだ。
「居宅療養管理指導」という名目で介護保険から医療法人に支払われる。
まあ、国が決めたことだから効果のほどは?でも正しいことなんだろう。