アメリカ人は統計が好きらしく、国民の3人に1人はうつだとか、4人に1人が
肥満で7人に1人は社会生活に支障をきたすほどの人格的障害があるとか、よくも
まあと思うぐらい熱心に統計を取っている。国民的な趣味なのだろう。一体統計に
どのぐらいの信憑性があるのか疑わしい気もするが、例えば、人はTVのリモコン
を探すのに一生のうちの3週間以上を使い、ジャンクメールの整理には5週間以上
を費やす、なんていうのはどうだろう?

 平均的な成人は1日24時間のうち仕事と通勤時間で10時間、歯磨き、シャワ
ーなどの身づくろいに1時間、睡眠に6時間、食事に2時間を費やすのだそうだ。
そして残りの5時間でTV、新聞、雑誌を見たり、買い物をしたり、掃除をしたり
する訳だが、この5時間のうちの1時間は無駄な時間に取られてしまうというから
勿体ない。例えば忘れ物をして戻る、カギや各種リモコンを探す、銀行や病院、駅
などで待つ、Eメールと郵便のジャンク・メールを処分する時間などなど。私もジ
ャンクEメールを削除するだけで1日20分は確実に無駄にしている。

 1番無駄なのが物を探す時間である。TVとビデオのリモコンとカギはのべつ幕
無し探している。一生のうちの3週間どころではすまない。その他、物差し、ナイ
フ、携帯、ハサミ、靴下の片っぽ、大事な事を書き付けたメモ、財布、帽子、何で
もござれ。探さないでパッと手に取れる物の方が少ない。ある時など我が家で唯一
の金目のロレックスの時計を、旅に出る前に泥棒が入ってもわからないようにどこ
かにしまいこみ、旅から帰るとどこに隠したかすっかり忘れて家捜しし、どうやっ
ても見つからないので悲嘆にくれていたら引き出しの下着の中からひょっこり出て
来た。これはボケが始まったせいではない。「爆笑おすピー大問題」という番組で
は、若い女性タレントが、給料が振り込まれた銀行通帳が3ヶ月見つからないとか、
開けたメンマのビンが見つからないとか言っていた。そういう探し物がぴたっと見
つかるおまじないをアメリカの現役の「魔女」が紹介していたので慌ててメモした。

 まず紫(無意識の象徴)のキャンドルと1束のローズマリー(記憶を司る)、お
香、金属の器を用意する。キャンドルに火をともし、金属の器の中に火を付けた
お香とローズマリーを入れ、キャンドルの前で左右に振る。振る時には立って、足
をクロスし、片手を天にかざし、目をつぶって7(マジックナンバー)から0まで
カウントダウンする。全裸ならより効果があるという。私もさっそくやってみよう。
ところでキャンドルはどこにしまったんだっけ?