【昭和レトロの世界へ「青梅」】 | pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

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地図を眺めれば、家にいながら「冒険」の始まり。
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「テレビのチャンネルを足で回すなんて、この子何考えてるの!」

半世紀以上も昔のことですが、母親からよく叱られたものです。もちろん、足で回した方が早いと考えたからですが、IT技術が発達した現代では、足なんか伸ばさなくても、手近のリモコンのボタンを押せばよいだけです。最近では、「アレクサ!」と呼び掛けるだけで番組の指示までできてしまいます。昭和のテレビは、実にのどかでした。時間はかかりましたが、電源スイッチを入れて、本体が暖まったら、あとは、チャンネルを回すだけ。見たい番組の数字が上に来るようにセットします。チャンネルには「1」から「12」までの数字が刻まれていて、時代が進むと「1」と「12」の間には、UHF放送の「U」という文字が付けられます(1から12は、VHF放送です)。でも、「チャンネルを回す」と若い世代の娘に話しても、意味が通じません。もっぱら、同年代の家内と昔を懐かしむことになります。

「昭和レトロ」という言葉が流行っています。レトロは「retrospective」の略語で、「懐古趣味」という意味があります。「古き良きものを懐かしみ愛好する」ですね。ノスタルジーを感じさせる事物に対して、観察したり収集したりする域にまで達すれば、立派な趣味としても成り立ちます。特に、ノスタルジックな雰囲気を感じる昭和時代の風景といえば、人それぞれでしょうが、私の場合は次のようなものです。

・コードが1本しかないダイヤル式の電話
 (当時の電話は、通話線で電源を供給していました)
・赤くて丸いポスト
・大村昆さんの「オロナミンC」や「金鳥」などと書かれたホーロー看板
・駄菓子屋さん
・ハイライトを売っているタバコ屋さん
・野菜を新聞紙で包む八百屋さん
・決まった時間に聞こえてくる豆腐屋の笛
・デパートの屋上の遊戯コーナー
・階数を指示棒が示す表示板といかにも重そうな扉のエレベータ

商店街とかデパート自体が、もはや「昭和」の名残かも知れません。昭和30年代から40年代(1955年~1965年)の時代を懐古するのが昭和レトロの定番のようです。昭和30年代の東京を再現した映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で描かれた世界は、その最たるものでしょう。

そんなわけで、三連休の真ん中の日曜日、昭和レトロを訪ねに、家内と始発の快速電車に乗り込み、奥多摩線の青梅駅に向かいました。到着した青梅駅では、ホームと改札とが半地下通路で結ばれています。その半地下通路の左右両壁には、看板絵師の手による映画の看板が貼られています。早くも昭和の世界へと引きずりこまれます。改札へと通じる通路にも、あちらこちらに昭和の証跡が飾られていました。

改札を出た待合室で、「駅からハイキング」の青梅駅周辺のコースマップを手に取り、駅舎を後にします。朝6時から開店しているはずのモスバーガーで腹ごしらえをしようと思っていたのですが、なんと、肝心のお店がありません。「まちの駅青梅」というお土産屋に変身していました。もちろん、10時開店なので、外から眺めるだけです。お店の端の壁一面に、昭和レトロの看板が再現されていて、思わずタブレットで撮影します。

駅前のロータリーを南下し、旧青梅街道の住江町商店街を目指します。商店街には、昭和レトロを楽しむ3つのスポットがあるからです。もちろん、いずれも10時開店なので、うちら老夫婦は、外から眺めるだけですが、人通りがほとんどないので、街並みや外観の撮影にはむしろ好都合です。

・ 昭和レトロ商品博物館
・ 青梅赤塚不二夫会館(2020年3月に閉館)
・ 昭和幻燈館

昭和レトロ商品博物館には、昭和30年~40年頃のお菓子や薬などの商品パッケージを中心に、おもちゃ、ポスター、ドリンク缶など懐かしい生活雑貨を展示しているそうです。隣には、レトロな喫茶店も併設されていました。

昭和幻燈館はには、昭和のスターたちのブロマイドなどが展示されているそうです。あとで調べたところでは、ジオラマ作家の山本高樹による1955年(昭和30年)頃の青梅の街並みを再現したジオラマも展示されているとかで、見学できず、ちょっと残念でした。

それにしても、昭和風な看板に混ざって猫を利用したポスターがちらほらと目立ち、とても気になります。とある一角では、強引に猫を入れ込んだ映画のパロディが並んでいるほどです。住吉神社の片隅に祀られた「阿於芽猫祖神」という招き猫の神社がその原因のようです。右手で金運を招き、左手にはマタタビの葉。参道の奥にも、「大黒天猫」と「恵比須猫」の2体の猫神様が祀られていました。さらに、駅舎で手にしたコースマップのタイトルは、なんと「昭和レトロな猫まち」となっており、「ちょっと、ネコが多すぎるんじゃない!」と、家内と顔を見合わせてしまいました。

帰りは、唯一ネコのいない駅舎内やホームをじっくり見学し、青梅駅始発の東京駅行きに乗り、帰路につきました。


■青梅駅



■青梅駅周辺


■住江町商店街


■阿於芽猫祖神


■昭和レトロな猫まち


■令和へ



さあ、今日も地図を広げて、
昭和レトロの世界へ、冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。