松山俳句ポスト「春潮」人選
写真と句の景が少し異なりますが・・・
相変わらず当たり前のことを当たり前にしか詠めていません
それでも、人選をいただけて大感謝
好きな句10選(詠者敬称略)
春の潮たゆらたよらにたゆたひて/ウロ
「たゆらたよらに」たゆたふ春の潮の様子を形容するのにふさわしい、美しいオノマトペだと思っていましたら・・・ウロさんのブログを拝見したところ、「たゆらに」「たよらに」ともに動揺して定まらない様を表す副詞だそうです。どちらにしても中七下五の音韻の美しさ!
春潮や玻璃浮き玉に塩のつぶ/さるぼぼ@チーム天地夢遥
さるぼぼさんの着眼にも、いつもパンチを食らった気分になります。
玻璃・・・この措辞も、使ってみたいけど、なかなかうまく使えない、そんな言葉です
春潮や砂浜まろき真珠色/ラーラ
先日、稲村ケ崎に行ってきたのですが、砂浜の美しさが本当に見事でした。まろき真珠色は、春潮が作り出したものなのかもしれません。
春潮に光の群れの孵化したる/海田
「光の群れの孵化したる」この措辞にやられました^^;
あ~、あの春潮がキラキラと眩しいのは、光が後から後から生まれ出てきているからなんだ~~と、妙に納得してしまいました。
橋脚の島を春潮囃しけり/初蒸気
「橋脚の島」瀬戸大橋のことでしょうか?
「囃しけり」という措辞で、春潮の音と振動を感じました。
春潮の船竜骨をきしませり/笑松
船に乗っているときに聞く、船が軋むような音と揺れ。長閑さとちょっぴりの不安・・・。
春潮や蠍座の尾は海淵に/星埜黴円
蠍座って、春から夏にかけてだんだんに姿が見えてくるんですよね。
見えている部分ではなく見えない部分を詠んだところが好きです。
- 春潮や嘗て要塞なりし島/k君島笑夢
- 昨年行った猿島を思い浮かべました。
- 実は、私も猿島で詠もうと思ったのですが、難しかったです。
- 春潮が真っ暗闇を引いてくる/ひでやん
- 春潮の満潮時間は、夜。
- 正に春潮が真っ暗闇を引いてくるんですね
- 春潮やマンタは海を耕せり/一阿蘇二鷲三ピーマン
- マンタの姿形、動きを中七、下五で見事に表現しました。
- 全体的な感想
- 写生したことをただ詠むのではなく、皆さんそれぞれの視点で、独特の措辞により、上質な詩として表現しています。
- やはり、自分の中には、詩的な措辞がなさすぎると痛感する今日この頃