女性性を否定されてきました。小学校高学年の、身体つきに変化が現れる頃から始まりました。洋服を全然買ってくれなくなり、なぜか成人男性用の洋服のお下がりや靴を貰ってくる。サイズも大きくて体系に合っていません。
「何でお母さんは、わざわざ大人の男性ものを貰ってくるんだろう」違和感とかすかに怒りも感じます。
私は何度も男性ものは嫌だから新しい洋服を買ってほしいと頼みました。「何が嫌なの？」「買えない」と言います。お下がりでもせめて女性ものが良い。けど母は不機嫌になり、私が「わかった」と言うまで引き下がりません。
嫌々学校にそれを着て行きます。きっと悪目立ちする。早速クスクスと「それ、どうしたの？男ものだよね(笑)」クラスの目立つ女子達に指摘されて恥ずかしくなります。やっぱり変だよね、私も本当は着てきたくなかった・・。私に話しかけて去ったあともヒソヒソ言われて辛くなります。
けど、母に言って新しいものを用意してもらえるはずがない。それどころかしつこく文句を言われて自分が傷つく。我慢して、皆の前では平気なフリをして過ごすしかありませんでした。
学校に着ていく洋服のレパートリーも少なくて眺めるだけで憂鬱でした。たまに新品を買ってもらえると嬉しいのに、本当に着たいものを手に取ることは出来なくて。母の目を気にして女の子らしいものは選べずにいました。紺色が似合うと唯一褒めてもらえたので、それなら認めてもらえるだろうと手にします。
大人になっても母の言う【紺色が似合う】を信じて、一時は白・グレー・紺の地味な洋服ばかり揃えていました。
後になって私は理解します。なぜ私に成人男性用のお下がりを貰ってきてたのか。結論から言うと嫉妬だと思っています。
私は小学生にしては大人びた雰囲気でした。同級生の父母達が陰で「後藤久美子みたい」「将来が楽しみ」と母に褒めていたそうです。当時そんな話しは一切しませんでした。大人になって「小学校５、６年の時のアンタが１番だった」と言ってきて、このエピソードを知りました。
その時にピンときました。母は私が後藤久美子さんのような綺麗な女性に成長するのが嫌だったんだと。
中、高、成人しても女性性の否定は続きます。