LAに留学してから
2か月ほど過ぎたある日の学校帰り
一緒にバスに乗る友達がいませんでした。
降りるバス停は分かっているし・・
ひとりでも問題ない
ハズでした・・・
バスに乗り込むと
運転手はあの
まるまる太った黒人のDJでした
住んでいたのはLA郊外で
住んでいるのは
ほとんどみんなメキシコ人です。
メキシコ人たちでいっぱいのバスの中、
空いている席に座ると
ウトウトと眠ってしまいました・・
ほんの1、2分だったと思います。
でもすっかり眠ってしまった気分でした。
ハッと目を覚まし
辺りをキョロキョロ・・
ここで私は大きなミスに気がつきます
バスが走るその通りにあるのは・・
セブンイレブン、タトゥーショップ、
セブンイレブン、タトゥーショップ、
セブンイレブン、タコベル、
セブンイレブン、タトゥーショップ・・
この繰り返し。
同じような店しかないんです
ヤバい・・
ここがどこか分かんない・・
バス停過ぎたかも・・
いや過ぎてないかも・・
私は意を決して
運転しているDJの元へ行きました。
ウェア イズ バルボア?
この英文を言うのがやっとでした。
DJが何か言います。
Blah Blah
え?ええ?分かんないよ・・
もう一度聞きます。
ウェア イズ バルボア?
BLAH BLAH
や、やっぱり分かんないよ・・
もう一度・・
ウェア イズ・・
SIT DOWN GIRL!!
DJ専用のマイクで叫ばれました
メキシコ人たちが大笑いしました
大爆笑です
私はトボトボと
メキシコ人たちの間を歩き
バスの真ん中辺りへ移動しました
降りるバス停が
過ぎたかどうかも分かんないし
帰れないかもしれないし
みんな何言ってるか分かんないし
何て言っていいかも分かんないし
恥ずかしくて穴に入りたいけど
バスのど真ん中・・
笑うメキシコ人たちの
注目の的
するとひとりのおばちゃんが
どこで降りるの
と聞いてくれました。
私はバルボア
と答えました。
すると伝言ゲームのように
メキシコ人たちに伝わり
あ~バルボアに行きたいのか
バルボアだってよ
あ~バルボアね~
なんて口々に言ってました
おばちゃんが優しく私の肩をつかんで
ちゃんと教えてあげるからね
と言ってくれました。
いや、
なんせ私は英語ができませんでしたから
何となくですが。
そしてバルボアに着く直前になって
DJがマイクを使い
ヘーイ!ガール!
次がお待ちかねの
バルボアだぜ~!!
なんてやっちゃいました
メキシコ人たちがどっと笑いました
またも大爆笑です
もういい・・
さらす恥は残ってないさ・・
無事バルボアに着くと
バスの真ん中のドアが開き、
おばちゃんが背中を押してくれました。
さあ降りなさい
ここがバルボアだよ
私はおばちゃんにサンキューと言い
楽しそうに私に手を振るメキシコ人たちに
手を振り返して歩きだしました・・
つづく・・
これは留学してから2、3か月の頃↓
あの日もこんな格好して
バスに乗っていたと思います