この際、今まで観ていない大作映画も観てみようと思っている。
この際とはどの際か。
ま、これは僕の都合と言うか、置かれている境遇と言うか、踏ん張っているスタンスのような話で、今日ここでダラダラと書いてもしょうがない。
「今まで観ていない大作映画も観てみよう」と思うような「この際」である、としか言いようがない。
言いようがないは大袈裟か。
説明が面倒臭い。
僕と、あとわかる人がわかればいい。
一方、僕にもわからない「この際」もある。
国会の予算委員会などで委員長が何かにつけて使う「この際」である。
「この際、立憲民主党のユキ野エダ男君の質問を認めます」
このこの際の意味がわからない。
「二階の窓から飛び降りて難を逃れましたが、この際両足を骨折しました」
この際のこの際は「そのときに」くらいの意味だろう。
また「ついでに」という意味で使うこともある。
「まぶた二重にするんだから、この際ほほ骨も削っちゃえば?」
ユキ野エダ男君は、別にたまたまついでに国会に来たわけじゃない。
しかし予算委員長の「この際・・・」という言いようは、まるで彼がホーレン君のバーターであるかのような印象すら与える。
なぜ「この際」なんだ。
考えてるとお腹が空いて、ホーレン草のバーター炒めが食べたくなる。
「この際、『シンドラーのリスト』の鑑賞を認めます」
委員長に宣されて、いよいよこの3時間を超える大作を借りた。
このジャケットの手は誰の手かわかりますか?
そう、これがシンドラーのリストです。
(ウソです)
いよいよ始まった。
ここからはネタバレ注意。
冒頭、モノクロの街に雪が降るシーン。
美しい。
車に積もった雪を手で撫でてみる主人公。
しかし雪は雪ではない。
死体を燃やした灰だった。
さすがスピルバーグ。
なんて印象的なオープニングだ。
そしてシンドラーは私財を投げ打つ決心をする。
ナチスを欺き、ユダヤ人を救う。
重厚な画面だが、物語の展開は早い。
少しアルコールを飲みながら気持ち良く観ていたが、見始めた時間が遅かったこともあり、僕はここで一度再生を止めた。
続きは別な日にしよう。
日曜の午後、続きから再生を始めた。
恐らくあと2時間はある。
ポットにはコーヒーをたっぷり淹れた。
さあ観るぞ。
シンドラーが涙を流す。
「もっと救えたのに」
早くも前半のクライマックスらしい。
僕は画面に引き込まれる。
やがて映像がカラーになる。
シンドラーの墓が大写しになる。
エンドロールが流れる。
エンドロール?
映画はあっけなく終わった。
なぜだ?
ひょっとして僕はこの前の夜、途中で寝てしまったのか?
ほんの少しのワインのせいで?
1時間以上も?
そんな馬鹿な。
でも途中のストーリーの記憶のかけらもない。
なんだか化かされたような気分でディスクを取り出してケースに返すと、そこにもう一枚ディスクがあった。
あら、2枚組だったのね。
ブログのタイトルはそういう意味です。
明日、1枚目見ますわ。