『ルワンダの涙』 | 少~し酔ってます。

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縦歩きのカニの日常

繰り返しになるが、水口君が貸してくれた『ルワンダ中央銀行総裁日記』を読み、ついでに薦められた映画『ホテル・ルワンダ』を鑑賞した。

勢いに乗ってこの映画も借りた。

 

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『ルワンダの涙』。

これにて「ルワンダ3部作」完成である。

僕が勝手に3部作にしただけだけど。

 

おかげさまでルワンダの近代史には詳しくなりました。

第一次大戦後ベルギーに統治されたこの国は、コーヒーを主産品とした貧しい農業国だったこと。

国民は主に2つの人種で構成され、人口の約15%のツチ族が、大多数のフツ族に対して支配的な立場だったこと。

「アフリカ最貧国」と言われていたが、1960年代に中央銀行総裁に任命された服部正也氏の奮闘で財政を立て直し、その後奇跡の経済成長をしたこと。

90年代に内戦が勃発、フツ族が蜂起してツチ族を標的にしたこと。

国連軍が派遣され和平の監視を図るが、フツ族によって大統領が暗殺されたのをきっかけに内戦は全土に拡大、最終的に100万人以上のツチ族の市民が虐殺されたこと。

 

人間てこんなに簡単に人間を殺せるのかなあ。

 

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服部氏の本にもあったが、ツチ族とフツ族は微妙に体格や顔つきが違う。

しかしそれは僅かなことで、映画でも身分証で確認されてフツ族がナタの刃から逃れるというシーンがある。

その程度の違いだが、フツ族はツチ族を「ゴキブリ」と呼んで憎み、蔑み、殺す。

ゴキブリなら僕も殺すけれど、当然ながらツチ族は人間である。

人間だが、男も女も老人も子供も関係なく彼らは殺す。

 

人間てこんなに簡単に人間を殺せるのかなあ。

 

そればかり考えてました。

大虐殺が起こったのは事実だろうから、映画で描かれていることは本当なんでしょう。

ゴキブリのように殺された人間も、ゴキブリを潰すように殺した人間も、存在していたんでしょう。

河原に葦が生えているように、数え切れないほど、普通に。