『リン』を減らすと『腎臓』が元気になる。
~老化や寿命に腎臓とリンが深く関係していた~
腎臓の重要な機能(役割り):生体内の状態を一定に保つ
私たちは健康で生活するためには、体内の「塩分・カリウム・カルシウム・リンなど」の成分を常に一定範囲内に保っていなければなりません。
特定の成分が多すぎても、少なすぎてもダメです。
ところが、私たちの食事内容は日々違うものを食べていますから全然一定ではありません。
例えば、塩辛いポテトフライを食べるとナトリウムが一気に体内に増えるわけですが、私たちは日々まったく違う食事(成分)を摂っているのに健康的に生きていけます。
なぜかというと、腎臓が「体内の環境を一定に保つ」という機能を持っているからです。
先程の塩辛いポテトフライで言えば、ナトリウムが増えると、ナトリウムを尿と共に排泄する機能を腎臓が行っています。
つまり、体内が特定の成分が必要量を超えてしまわないように、逆に足りない成分は戻したりもしています。
腎臓が体内の環境を一定に保つための管理・調節機能ができていることが、健康寿命・若々しさに深く関係しています。
私たちは、日々必要なものを取り入れ、不必要なものは出すという出し入れによって、健康に適した状態をキープしています。
しかし、出すべきものをスムーズに出せなくなると、不要なものや摂りすぎたものが溜まっていき、他の臓器の機能が落ちたり、代謝が低下したり、不調や老化現象があらわれます。
腎臓は、全身の臓器を統括している重要なものです。
腎臓の出す力が衰えると、老化も進みやすくなります。
腎臓に負担がかかる『リン』
腎臓によって出す必要がある(腎臓に負担がかかる)摂りすぎてはいけないものと言えば、
ほとんどの方が、「糖分・塩分・脂肪分」と答えるでしょう。もちろんこれらも摂りすぎには注意です。
しかし、近年ではもっと摂りすぎに注意が必要なものがあることがわかってきました。
それが『リン』です。
慢性腎臓病を防ぐにもリンのコントロール対策は大注目されています。
リンとはいったい何か?
リンは無味無臭で、知らずのうちに摂取しています。リンはカルシウムと共に骨を構成している成分です。
体内のリンの約80%は、カルシウムと結合し、水に溶けないリン酸カルシウムをつくり、骨の主成分となっています。
また、DNAや細胞膜の主成分でもあるので、私たちの体にとって欠かすことができない重要な成分でもあります。
しかし、いくら必要であっても摂りすぎてはよくありません。
リンは肉・魚・乳製品など実に様々な食品に含まれているので、普通の食事をしていればまず不足することはありません。むしろ過剰摂取に気をつけなければなりません。
若々しく老化しないためのリン摂取の考え方
リンは2種類・・・・ ① 有機リン ② 無機リン(食品添加物)
※特に②の無機リンに気をつける
リンのコントロールに気をつけたい3つのこと
・有機リンは少しだけ注意する(考えすぎる必要なし)
・無機リンを特に注意する
・適度に運動して、リンを骨に封じ込める
リンを骨に封じ込める。(適度な運動の重要性)
通常、骨や筋肉は体重や運動のプレッシャーがかかるので、体は骨密度や筋力を維持しようとしています。
ところが、運動しないと、プレッシャーがないので、体は骨や筋肉が必要ないと判断し、骨の中のリンやカルシウムは血中に溶けだしていきます。
その為、骨が弱くなってしまう(骨粗鬆症)、また、骨からリンが溶けだしたことによって腎臓にも悪影響(慢性腎臓病)を及ぼします。
ですから、リンをコントロールするには、運動することも非常に大切です。
研究によると、宇宙空間では無重力の為、骨にプレッシャーがかからないので、10倍のスピードで骨が弱くなっていく実験結果もあります。