ゾンビ細胞の蓄積による慢性炎症が老化を加速させる。 | 健康をサポートする店長ブログ

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   ゾンビ細胞とは?

 私たちの細胞は、毎日分裂をしていてその過程で何か異常のある細胞がポツンと生まれると、分裂をやめて自ら死んで壊れるか、免疫細胞によってそれが体内から排除される仕組みになっていて、常に健康でピチピチの新しい細胞が生まれるようになっています。

 

 しかし、最近の研究では古く老化した細胞がそのまま生き続ける、いわばゾンビ化した細胞になってしまうことがあるとわかりました。

 

   ゾンビ細胞が引き起こす炎症慢性

 ゾンビ細胞は蓄積すると、SASP(サスプ:細胞老化随伴分泌現象/Senescence-Associated Secretory Phenotype)という現象を引き起こします。このSASPが慢性炎症を誘発し、がんや動脈硬化など加齢に伴って増える病気を発症させることが近年の研究で分かってきました。

 SASPは、周囲の正常な細胞の細胞老化を引き起こし、さらに老化を加速させてしまいます。まるで死体が蘇るように、炎症を起こす物質を出して周囲の細胞の老化を加速させて仲間を増やし、組織や臓器の機能を低下させるゾンビのような細胞というわけです。

 

 

 

   新型コロナの重症化も老化細胞(ゾンビ細胞)の蓄積が要因に

 ゾンビ細胞が蓄積することで過度なSASPが起こると、がん、心血管疾患、糖尿病、白内障、慢性閉そく性肺疾患、アルツハイマー型認知症、骨粗しょう症、変形性膝関節症など、加齢によって増える様々な病気につながることも分かっています。

 最近では、新型コロナウイルスで高齢者や糖尿病などの基礎疾患がある人が重症化しやすいのは、ゾンビ細胞が蓄積し過度なSASPが起こっていることが一因である可能性が指摘されました。(ドイツの研究グループ、2021年9月)

 

   腸内細菌叢に悪玉物質が増えると老化細胞(ゾンビ細胞)が蓄積

 ゾンビ細胞がたまらないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

 

 まず第一に「肥満」を防ぐことです。高脂肪食を食べ過ぎて肥満になると、腸内細菌が変化して悪玉物質が産出され、それが肝臓に運ばれることによってゾンビ細胞がたまって過度のSASPが発生し、肝臓がんが発症するリスクが高まることを解明されています。マウス実験では約3割は、肝臓がんだけではなく肺がんも併発していました。

 

 

 「私たちの体の中には、30兆から100兆個の腸内細菌が存在しており、その構成は食事の内容や栄養状態によって変化します。高脂肪食や過食が続くと、腸内細菌叢が変化して悪玉物質が増加し、肝臓がん以外にも大腸がんの発症の引き金になる可能性があるので要注意です。さらに、高脂肪食によって腸内細菌叢に悪玉菌が増えると、がん以外にも、うつ病、認知症、糖尿病などにつながる恐れもあります。

 

 

 

 

   ゾンビ細胞を取り除く方法

1・免疫力をしっかり高める

 自然免疫系のナチュラルキラー細胞が全身をパトロールしながら、ガンやウイルス感染細胞、異物などを見つけて攻撃する免疫細胞で大切な防御機能があり、ゾンビ細胞を排除してくれます。ただ、ナチュラルキラー細胞の機能も年齢とともに弱くなっていってしまので、

 きちんと免疫力を高め、ナチュラルキラー細胞を活性化してあげる必要があります。

 

 定期的な運動を取り入れることによって体内の炎症が減り、免疫細胞がしっかりと働くのを助けてくれます。ジョギング・ウォーキング・ヨガ・水泳などといった適度な運動を少なくとも週に150分行うことが推奨されています。運動のやり過ぎは逆に活性酸素が出過ぎてしまい、老化を早めてしまうので、適度な運動を心がけましょう。

 また、ストレスや不安を和らげることが免疫力を高める上で重要になっています。

 

 

2・体温を上げる

 「冷えは万病のもと」。一般的な平均体温は、36.6℃~37.2℃程度であるといわれています。36.0℃以下の人は低体温といわれています。体が冷えていて血流が悪いと、自律神経失調症・アレルギー・   便秘・肥満などの不調や病気につながりやすくなります。

 免疫細胞は体温が高いと活性化する性質をもっており、先ほどのナチュラルキラー細胞は、36.5℃以上で活性しますので、ゾンビ細胞の蓄積を防ぐのにも体温を高く保つのは重要です。

 

 

3・ポリフェノールをしっかり摂取する

 ポリフェノールの特徴は何といっても「抗酸化作用」が強く、活性酸素を無害化してくれる作用がありますから、動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。また、活性酸素の有害な物質が老化の原因とされているので、ポリフェノールを摂取すると、ゾンビ細胞化するのをしっかりと防ぎます。また、脳卒中や心臓病、糖尿病のリスク軽減し、さらには、肝機能、睡眠、血圧、インスリン抵抗性、全身性炎症を改善するという優れモノなのです。

 水に溶けやすい性質があるので、比較的短時間で作用しますが、、長期的効果は持続しないので毎日こまめに摂取する必要があります。

 また、ブロッコリーには、活性酸素を取り除く抗酸化ビタミンが豊富で、ゾンビ細胞の働きを弱めるケルセチンという物質も含まれています。