今回から学校での生活指導に関してです。今回はなぜ学校が忙しいかという話の1回目です。

 教員が生徒指導に関して最も嫌うのは、ずばり校外の事件に学校が振り回されることでしょう。
 本来は、生徒が学校外での万引きや校外での暴力事件を起こした場合は警察に捕まるものであり、学校が仲裁や賠償交渉をするものではありません。

 ところが「教育上の配慮」という理由・・・実際には

=子供の経歴にキズをつけないため
=当事者がことを荒立てたくないため
=被害者(店や被害者)のお礼参りや変なうわさが立つことを恐れて・・

学校に解決や仲裁を求められます。具体的には、加害者の親を説得し実費賠償と謝罪を促すという形になります。

 中学の場合、クラスが荒れるのと同時に、事件に振り回されるというのが担任にとって大きな負担になります。補導された場合などは、本来親に連絡が行きますが、引き受けに行かない場合学校にも連絡がきます。
 この辺まで担任が請け負うようになると教員自身の生活が崩壊します。昔は放課後に身元引き受けに行くこともありましたが、学校側で引き受けることはあまりありません。親を説得して(←これが結構大変)一緒に担任が警察に行くことはたまにあります。

 ほかには生徒同士の喧嘩の仲裁(校外で発生したもの、治療費の負担等についての揉め事が多い)や自宅からゲームを盗まれて友人宅で見つかったとかいうこともあります。

 結局生徒のプライベートに巻き込まれ、担任だけではなく副担、学年主任など、学年全体も対応に追われて、事件が起こるたびに夜8時、9時まで学校で指導することになります。授業以外に授業の準備や校務分掌(学校内の業務。施設管理や日程の調整管理など)もあり教員の生活自体が成り立たなくなったりします。

 「うちの子が・・申し訳ありません」という親なら問題無いのですが、事件を起こす子の場合は、親の犯罪に対する認識が薄い場合が多く、教員側にとって精神的に負担大です。