こんにちは。


ご訪問くださり、ありがとうございます。

こちらのブログでは、主として腎不全で透析をなさっている方や、そのご家族向けに、何かのお役にたちそうな内容についてご紹介しておりますが、病気平癒祈願との関連で、何回かに分けて、


お寺で病気平癒などの願掛けをするとき、知っていると、よりお参りが丁寧になるポイント


と、


西国三十三所や四国八十八か所の札所巡礼をするときのお作法


について順番にご紹介しております。


第1回は山門に入ってから手水をして自己紹介するまでについてです。

 ↓


第2回は、自己紹介のあと、願掛けの前に仏様に奉納する「真言」についてのご説明です。

 ↓


第3回は、願掛け前に唱えるととても丁寧なお参りになる、般若心経についてです。

 ↓



今回はお寺参拝シリーズの第4回として、観音様が御本尊のお寺や、脇侍としておられる観音様にお参りするとき、般若心経とセットで唱えると、仏様にとても喜んでいただける、

観音経

(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五)

についてご説明します。



観音経について

観音経は、

妙法蓮華経(法華経)の第25章

です。


法華経には、如来寿量品とか、神力品とか、いろいろなお経が28章分入っているのですが、観音経はそのうちチャプター25で、最初から最後まで、観音様の有難いごりやくがずらずらーっと書いてあるお経になります。


前半と後半で形式が違っていて、前半は文章体、後半は、昔、漢文の授業で習った「五言絶句」のように、漢字五文字ずつ4行がワンセット、になった詩の形式になっており、前半の内容のダイジェストになっています。


(例) 

世尊偈の途中の4行ワンセットです。


假使興害意 もし悪意を起こした人に
推落大火坑 火の大穴に落とされても
念彼観音力 観音様を念じれば
火坑変成池 火の穴は池に変わる


なんとなく五言絶句っぽいですよね。

こういうフレーズがずっと続きます。


こちらは、平家物語にも出てくる有名な部分です。平家物語巻1の「清水寺炎上」には、興福寺と比叡山の紛争の巻き添えで清水寺が焼かれたところ、その翌朝、(僧兵と思われる誰かが)「観音火坑変じて池と成るはいかに」という嫌味の看板を清水寺の焼け跡に立てた、という記載があります。清水寺の御本尊は観音様なので、このような話になっているのです。


なんとなく、漢字だけ見てても意味がわかりますよね?

経本には全てひらがなでルビがふってあるので、読み方はわかりやすいです。


この後半部分を「偈()」←※詩のこと

といい、詩に突入する部分のスタートが「世尊妙相具(せそんみょうそうぐ)」で始まるため、この後半部分は、略称で

世尊偈(せそんげ)

と呼ばれています。


オペラのアリアが、歌いだしの歌詞をとって「誰も寝てはならぬ」「お聞きください王子様」といった名前で呼ばれてるような感じです。


観音経の前半と後半を通して、フルバージョンで唱えると約20分かかります。


世尊偈だけだとたぶん5分ぐらいです。


前半は、文章の切れ目がわかりにくく、読みにくいのと、とにかく長いので、西国三十三所観音霊場の巡礼の人は、


般若心経+世尊偈


だけをお寺で読経しています。

お経の本も、この2つだけを収録したものが多いです。

(最初から観音経のフルバージョンは期待していない、ということかもしれません。)

 

 


ただ、横川の元三大師堂で買える、元三大師勤行式という経本には、ノーカットフルバージョンの観音経が収録されているので、私達は横川の元三大師堂に行ったときは、よほど体調が悪くない限り、頑張って勤行式どおりにフルバージョンで唱えています。

(正座だと脚が死滅するので、お堂に備え付けの正座椅子をお借りしています。)



ほかの観音様にお参りしたときも、時折、フルバージョンを唱えることがあるのですが、なんとなく、そうすると観音様に喜んでいただけている…ような気がします。(あくまでも個人の感想です。)


なので、最初は読みやすい般若心経+世尊偈から始めて、元三大師堂にお参りするときや、ほかの観音様にお参りしたときでも最大級の感謝とお礼を申し上げたい、というような場合は、フルバージョンに挑戦してみる…のもよいかもしれません。


いきなりフルバージョンはハードルが高いので、こちらの大蔵院さんのホームページの解説を読んで、意味を頭に入れてから読むと、とても読みやすいです。

(マンガの「あさきゆめみし」を読んでからだと受験古文の源氏物語が読みやすい、のと似ています。)

 ↓

観音経全文と解説 


私は京大病院近くの積善院凖提堂(准胝観音様がおまつりされています。)にお参りしたとき、お経の本を忘れてきたため、こちらの大蔵院さんのホームページを見ながら観音経全文を唱えたこともありました😅

文章の区切り方がお上手なので読みやすく、これを見ながらでも唱えられます。とても助かりました。



CDは、前回とその前にもご紹介した、高野山教学部のこちらのCDがお勧めです。観音経のフルバージョンが入っています。

  ↓

 


そのほか、You Tubeでは、こちらの動画がとても聞きやすいです。

宇宙空間にお経の文字が流れるのがシュールで、音を聞きながらお経の漢字を確認できるのでわかりやすいです。

 ↓

観音経全文の読経 You Tube 



読経のときのポイント


お経や、祝詞は、最初にこれからあげるお経のタイトルを言わないといけないのだそうです。


なので、世尊偈をあげるときは、


妙法蓮華経観世音菩薩普門品第25


と、


フルバージョンのときは 、

 

妙法蓮華経観世音菩薩普門品第25


と、それぞれ言ってから唱えてくださいね。


それから、

「観世音菩薩」かんぜおんぼさつ

「無盡意菩薩」むじんにぼさつ

という言葉がたくさん出てきますが、

ぼさつ

ではなく

ぼーさー

と読むとリズムを外さないですみます。


かんぜーおんぼーさー

むーじんにーぼーさー


という感じです。

動画やCDを聞くとよくわかると思います。



観音経をあげるときのお参り順序


自己紹介→

般若心経→

観音経→

真言3回→

お願い事、


になります。

※開経偈や懺悔文、回向文については、遍路関係でご紹介します。


これだけ唱えるとかなり長丁場になるので、混み合うお寺では横の方でお参りするのが無難です。

(積善院凖提堂は、2月23日の五大力さんのお祭りのとき以外は、ほぼ本堂に誰もいないので、畳に座ってゆっくり読経できます。)


観音経まであげると大変ですが、そのぶん、仏様に喜んでいただけたかな?というサインを見せていただけることが増えて、うれしさひとしおになります。


皆様が観音様のお助けで、いろいろなことについてのお願い事が叶いますように。



【4/13夜加筆】

世尊偈や観音経フルバージョンは大変すぎて私には無理そう、という方向けに


延命十句観音経


という、ごく短いお経があります。


延命十句観音経 


本当に短いので、これならどなたでも唱えられると思います。


長いのは無理そう、なかたは、こちらをどうぞ。

(加筆は以上です。)



いつもコメントやイイネをありがとうございます。

とても励みになっております。

どうぞよろしくお願いいたします。