※地上にいるお姉ちゃんの話です。

死産後しばらく、3歳目前の娘に

「ママ、おっぱいのにおいー♡」

と、まとわりつかれました。そして一緒にお風呂に入ろうもんなら、吸われていましたチーン

なので、悪露もあったし、1ヶ月検診終わるまでは湯槽に入れないこともあり、娘のお風呂はしばらくパパにお願いしていました。

すると今度は、朝私が服を着替える一瞬の隙を狙ってくるようになった娘。

食いしん坊な娘は離乳食もモリモリ食べてくれていたので、1歳になる少し前に、あっさり断乳出来ていました。だから今更おっぱいに執着する娘に私は戸惑いました。

母乳を止める薬は飲んでいたので、そんなに出てはいなかったと思うのですが、ブラジャーに少しシミができる程度には分泌されていたようで、その匂いを敏感に嗅ぎつけて寄ってきていたのでした。

入院中の約1ヶ月間、ずっと離れて生活していた反動もあったのかなと思います。


そして爆発的にお喋りをしていたこの時期。

寝ている時以外は、ずーーーっと話しかけてきます。
こっちが返事をしようがしまいが関係無しです。

「なんで?どうして?」

と、何回も同じ質問をしてくることもしょっちゅうで、

あぁうちの子も、もうそんな時期か〜。

と、本当なら喜びたかったのですが、この時の私には結構ヘビーなものでした。

何故なら、その何回も繰り返される質問の中に、

「ぽんちゃんは?」

「どうしてお空に行っちゃったの?」

「なんで?」

という内容のものを、一日に何回も何回も質問してくるからでした。

はじめのうちは丁寧に娘にも分かりやすいように説明していたものの、繰り返し何度も聞かれるうちに私も参ってしまい、

「もう静かにして。私に何も聞かないで。
 私だって何で優翔がお空に行ったのか、
 分からんわぐすん!」

と、布団を被って潜り込み、娘を拒絶してしまいました。

主人が仕事に行った、土曜日のことでした。


そして私が布団に潜って暫くたった頃、ふと、静かになった娘が心配になり、覗いてみると・・・。

トミカの入った箱を、開けてとも言わずに、ずっと一人で静かにがじがじと噛じっていました。

箱を開けたくてしている感じではなく、ぼーっとしながら、布団に転がり、空を見つめて箱をガジガジ。

3歳目前の娘が、箱をずっとかじっているという衝撃的な姿に、ショックと申し訳なさでいっぱいになりました。

いわゆる、なんでも口の中に入れて確認する赤ちゃんの時期は、とっくに過ぎていました。

朝も昼もしっかり食べていたので、お腹が減っていた訳でもありません。

中に入っているトミカが出したくても開けられないから、かじっていただけなのか・・・。

仮にそうだとしても、
「あけて」
というお願いすら、出来ないくらいに私は娘のことを拒絶してしまっていたのか・・・。

娘に申し訳無い気持ちでいっぱいになりました。

地上に無事に産まれてきてくれた、唯一の大切な我が子なのに・・・。
悲しい気持ちを、一番分かってくれているのはこの子なのに・・・。
むしろ、私以上に傷ついているのかも知れない・・・。

死産してもうすぐ半年がたとうとしていますが、未だに一緒にお風呂に入ると、私の小さくなったお腹を見て、

「ぽんちゃんは?
 お空行っちゃったの、寂しい・・・。」

と言ってくる娘。

ままごとが大好きな娘は、最近お気に入りのぬいぐるみを毛布で包んでおくるみにして、赤ちゃんに見立てて遊んでいます。

その赤ちゃんに見立てたぬいぐるみを、私に抱っこさせようとしたり、私のお腹の中に入れようとしたりしてきます。

そんな時、私は複雑な気持ちになります。


「また赤ちゃん、お腹に来てくれるといいね・・・。」

そう言うのが、精一杯です。


あの時は拒絶してしまったけれど、今思えば、あの時は一緒に泣いちゃえば良かったんだなと、今更ながら思います。

娘の前で泣いちゃいけないと思い込んでいたけれど、拒絶するくらいなら、一緒に泣いちゃえば良かったんだ・・・。
娘も辛かったんだから・・・。


今日は優翔のエコー写真が入ったアルバムを引っ張り出してきて見ていたお姉ちゃん。


今からでも遅く無いかな?
今度娘が寂しそうに優翔の話をした時には、一緒に泣いてみようかな?