【日本政策公庫の資本性劣後ローン よもやま話】 | 理系税理士 佐原三枝子のラジカルトーク

理系税理士 佐原三枝子のラジカルトーク

宝塚で開業している女性税理士です。
経営や税務に関することはもちろん
季節のエッセイや
トレッキングやアウトドアの趣味のことも書いています。

最近、この融資を宣伝しているセミナーが多いようです。
政策公庫の主催ではなく
一般の会社(融資コンサルタント?)が行っています。

このセミナーに参加された方から
「この融資は、5年間とかべた貸で
その後もジャンプできるみたいだ。
だけどあんまり話がウマイから大丈夫かなと思って。」

というご相談を受けました。

 

べた貸というのは、

融資期間中は元金返済がないということ。

金利の支払いだけですみます。

ですが、期日が来たら一括返済となります。

 

資本性というのは

借入金なのに

その会社に政策公庫さんがまるで

資本金を入れてくれているような感覚で

ほかの金融機関が評価してくれる(かも)という意味で、

借入というマイナスイメージでなく

資本注入というプラスイメージになるということ。

 

劣後というのは

その借入をした会社が特別清算などをして

借入金の返済が滞った場合

弁済の順番が一番最後になるということです。

 


どの様に主催者がお話したかは分かりませんが
この方が

「この融資は、5年間とかべた貸で
その後もジャンプできるみたいだ。」

と思いこんだことは事実ですから
事実関係を確認するためにも

政策公庫さんとお引き合わせさせていただきました。

まず、
5年とか一定期間べた貸してくれることは制度上当然です。
ただ、それをするために事業計画の提出など
ハードルが高いことも事実。

5年後に再度べた貸に応じてくれるかどうかは
その時の状況によっていて
むしろ経営がうまくいっていれば再度のべた貸に応じてくれ
うまくいっていなければ
証貸などへの移行を償還の数年前から打診します

と政策公庫さんからご説明いただきました。


まるでお金をもらったかのように感じていた相談者の方は
そりゃそうですよね、

と憑き物が落ちたようになりました

当初の金利は低めに設定しているが

黒字になれば金利はかなり高くなります。

金利というより配当に近いイメージです

という公庫さんの説明にも納得がいきます。

 

融資のコンサル会社は

融資をが通ると融資元金の一定割合を
成功報酬としていただくということになっているようです。

つまり融資が下りたところまでが仕事です。


そのあと困った会社を見ていくのは税理士事務所の仕事
どうか何事もまずは税理士事務所に相談してほしい

そう思いましたし

お客様にとってそういう事務所でありたいなと思いました。