古田敦也著「優柔決断のすすめ」を読みました。
- 「優柔決断」のすすめ (PHP新書)/古田 敦也
- ¥735
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☆こんな人におすすめ☆
・何事も中途半端になって…という人
・優柔不断な人
・中庸を良しとする人
「優柔決断」。
この言葉に惹かれて、ふと買ってしまった一冊。
「優柔」とは、その場その場で「柔軟」に情報を採り入れていくということ。
人のアドバイスも聞いてみるなど、何かに凝り固まらず、こだわらない、フレキシブルな情報収集のあり方。
ときには大いに迷い、悩み、もがき苦しむこともある。
それでいっこうに構わない。そのあとでしっかりと「決断」さえできれば、それでいい。
これが、優柔決断の考え方です。(本書より抜粋)
「優柔決断」をするために、どうしたら良いか。
まず、あらゆるところから情報を引っ張り出す。
そして、実際にやってみる。
この2点が、核心ではないでしょうか。
現代は、情報過多の時代と言われます。
一昔前に比べて、いとも簡単に情報にアクセスすることができる。
しかし、ここで気を付けたいのが「情報を収集しておしまい」にならないようにすること。
「最近の若い人は、情報だけで、自分はできる、できないと判断してしまう」と著者は警告しています。
情報を集めたら、それが自分にあうかどうか、実際にやってみて確かめる。
そして、あっていれば採用すればいい。
あわないと判断しても、それまでのプロセスが、次に活きてくる。
情報収集と、試行。どちらを欠いても、「成長」に結びつく「変化」を生み出すことは、難しくなります。
「ちゃんと、自分で実際にやってみてる?」と自問自答するのと同時に、時には「ちゃんと情報、集められてるかなぁ」と思うことも、忘れないようにしたいものです。
その他、本中での著者の考えで、印象に残ったことを2つ。
・上司に選ばれなければ意味がない
全日本のメンバーを選考する合宿のとき、古田選手はメンバーに選ばれる為に、合宿の監督がどのような人材を好んでいるか、きちんと情報収集をした上で、監督が望むようなプレーを心がけたそうです。
一見、自分を曲げているように思えるかもしれません。
しかし、古田選手は「まずは機会を与えられなければ、その後のフィールドに立てない。機会を得るために、やるべきことをやっただけ」と述べています。
目標を達成するために、しっかり情報を集め、それに向かって取り組んだ好例ではないでしょうか。
・球界一バットをとりかえた男
「正しい解答がない以上、いまよりもっといい方法がないかと、つねに可能性を求めてチャレンジすべきなのは言うまでもありません。」
この考えの下、古田選手は何度もバットを取り替えて、調整に取り組んでいたそうです。
○○流、というのが無いのが古田流。
決まりきった形を極めるのではなく、形が違っても、とにかくトライしていく。
このような選択を、自信をもってしてもいいんだ、と感じました。
そして、組織力に関する記述からも、見事な「優柔さ」を発揮されている様子が伺えます。
ワンマン型の、野村監督。自主性を重んじる、若松監督。
正反対の2人の監督の、それぞれの良さを活かした独自のマネジメントについて、後半では述べられています。
それぞれの長所と短所を理解し、状況に応じて上手に使い分ける。
「優柔さ」を持ち合わせているからこそ、なせる術でしょう。
ちゅうぶらりんで、色々迷っていいのかなぁ…、と、自分自身、よく思うのです。
ですが、この本を読んで、「ちゅうぶらりんってことは、ある意味、情報を柔軟に収集してるんじゃないか」と、前向きな発想に転換することが出来ました。
確固たる信念を持って突き進むタイプの人もいれば、柔軟に物事を受け入れるタイプの人もいる。
それは、どちらが正しいとかいう問題ではないのだ。
そんなことを思った一冊でした。