それでは、文系数学の最後、確率の問題に行きましょう。 東大の確率は、見たことのない問題が出る 

東大数学といえば、確率の問題が頻出! 

毎年必ず出るといわれてますが、実際は数年度だけ出題されなかった年がありまして、それが去年の入試。 

といいつつ、これまでの経緯を踏まえると、来年の入試にも登場するでしょうから、対策は必須。

ぜひ時間をかけて取り組んでほしいと思います。

 

 それにしても、東大の確率は、見たことのない問題が出ますね。 

教科書や問題集で見たことのあるような問題ではなく、設定を少し捻ったり複雑にしたりと、工夫がみられるものがほとんど。 

そのため、対策がしづらいのも特徴です。

 

 私も、「ブログやHPで、数をこなすだけの勉強は止めろ」と絶叫していますが、しかし確率の対策に関しては色々なパターンに触れて、解法を抽象化するのが必要だと思います。 今回の河合塾の問題も練習に良い問題ですので、ぜひ取り組んでほしいと思いますね。 

 

文系も数Ⅲを勉強しておく方が有利!? 

この問題、文系受験者にとって不利だったのは、理系では常識とされている知識がないということですね。 

数Ⅲでは、初項と公比が1/2の等比数列の無限個の和が1になるという有名な事実が登場します。 

こちらの画像をご覧くださいませ。 「1/2を足す」というのを、「1/2の面積を塗る」と変換すると、わかりやすい図が出てきます。

 この知識があると、問題がかなり解きやすかったでしょうね。

 

河合塾の模範解答でも、僕の手書きの解答でも、 

A:サイコロで1か2の目が出る 

B:サイコロで3か4の目が出る 

C:サイコロで5か6の目が出る

 と定義しました。 

 

すると、 

・1回目からずっとAが出続けるのが、点Pの座標が最大になるときで、1 + 1/2 + 1/4 +・・・=2(無限の和)となり、 

・1回目からずっとBが出続けるのと、1/2 + 1/4 + 1/8 +・・・=1(無限の和)

となります。 

 

上の足し算は無限に足した場合なので、n回目(つまり途中)で足すのを止めたら、もっと合計が小さくなります。 まとめると、 

事実①:1回目からn回目まで、全部Aの時の点Pの座標は、1 + 1/2 +・・・+(1/2)^n<2 

事実②:1回目からn回目まで、全部Bの時の点Pの座標は、1/2 + 1/4 +・・・+(1/2)^n-1<1

もわかる。 

 

これを踏まえて(1)の問題を見てみると、問題の趣旨は「一回目にCが起きると合計が1を超えない」のを示せというもの。 

そりゃあ当然です。 

なぜならば、点Pの座標が最大になるのは、上の事実①の場合ですね。

これを踏まえて、1回目にCが出た場合の点Pの最大値は、この事実①の一番左の1を0に変えればよいわけで、すると両辺から1を引いて、 1/2 + 1/4 +・・・+(1/2)^n<1 

 

つまり、1回目にCが出てしまうと、そのロスをカバーしようとして、どれだけAを連続させたとしても、1に満たないわけです。 

これで、(1)は終了。 解けました。   

 

第2問の復習:「常に + 不等式 は最大最小問題」の法則を利用しても良い。 

他にも考え方があります。 

第2問の時に、「常に + 不等式 は最大最小問題」だというのを説明しました。 

2018年夏 河合東大オープン 文系数学第2問 

 

これを使うと、「1回目にCだったとき、常にxn<1」を示すわけですから、言い換えて 「xnの最大値<1」を示せばよいわけです。 

xnの最大値はずっとAが出続けるわけですから、CAAAAA・・・という場合の確率を考えれば示せます。   

 

 

難しいときは、具体的な数字で試せ! 

さて、難しい方の問題(2)。 

xn≧1となる確率を求めよとのことですが、これが難しい。 

パッと見て解法が分かる人は少数でしょう。 

そういうときの対処法は、意外と少なく、最も有名なものは具体的な数字で試すこと。 

 

手書きの解答で、実際に試していますが、1回目で1を超える場合、2回目で1を超える場合、3回目で1を超える場合・・・と試してみて下さい。 

すると、意外にも場合が少ないことが分かります。 

あとは、樹形図を描いて答え。 書いていると簡単に見えて、実際に手を動かすと難しいのは分かりますが、しかし具体的な場合で試すのは王道。 

nで難しければ、小さい数で試す。ぜひ次の試験でやってみましょう。 

 

ということで、手書きの解答です。

 

 これで、河合の文系数学の問題が全て終了! 

4問通して、難易度もそこそこありましたし、良い問題のラインナップだったのではないでしょうか。 

受験生にとって、復習にもなりますし、実戦経験にもなる良問と思います。 

理系の問題は、折を見てアップしていきますね。