感覚処理問題に関心を持ったきっかけは、この本です。


自閉症は漢方でよくなる

 

 

もうめちゃくちゃ胡散臭い装丁滝汗

 

普通だったら絶対手に取りそうにないけど、たまたま何かで評判を聞き、Amazonのレビューを見て興味を持ったので、まぁこれくらいの出費で何か得られるものがあるならラッキーかなって買って読んでみたら。

 

期待を大きく上回る良書でしたニヤニヤ

装丁やタイトルがもう少しよかったら、もっと広く読まれるだろうに、もったいないです。

 

著者の飯田先生は、もともと西洋医学のお医者さん(文章から臨床医に徹するプライドとこだわりが滲みでている)で、自閉症の症状が何とかならないかと研究して漢方に行きついたようです。

お医者さんの中には「自閉症は一生治りませ~ん」、だけで終わってしまう方も多々おられたりしますが、飯田先生は何かいい方法がないか、とても真摯に向き合っていただいていたお気持ちが伝わってきます。(すでにお亡くなりになっています) こういう先生に、書籍であっても触れることができると、とても勇気づけられます。

 

飯田先生曰くは、自閉症を持つ人の脳自体には実は異常はなく、知的な能力はあるんだそうです。知的な遅れがあるかどうかは、歩き出す時期と相関性があると。ダウン症の子供たちは大体2歳前後で歩けるようになるそうですが、ダウン症の場合は知能指数と歩き出す時期の相関性がピタリ一致することを例に挙げておられました。

それに対し、自閉症の子供は、多くが健常の子どもたちと変わらない時期に歩き出すので、その場合は「知的障がい」とは別に捉える必要があり、今どきの医者が猫も杓子もつけたがる「自閉症+知的障がい」という診断がナンセンスでなんかイラっと来るらしいです(マツモト意訳)。

 

自閉症のひとの脳に実は異常ないという話、私はけっこう納得できます。

他の本でも、MRIを取ったり解剖した結果、脳自体に異常は見られなかったということは紹介されていたので、おそらく事実なのかな、と思います。

 

というか、接していると、むしろすごいなと思うところもあるので。

確かに短期記憶など弱いところはたくさんあるのですが、タクオは一旦覚えたら相当長い間、とても正確に記憶しています。パターンを見つけ、紐づけて覚えることが得意みたいです。

また、興味のあること、例えば駅のアナウンスや、地名の看板(漢字)なんかは、一度見聞きしただけで覚えたりすることもあります。

方向感覚もいいです。うちから一番近いセブンイレブンに行きたかったとき、方向音痴の私が道を間違えていたら、そっちじゃないYO!てな感じで引っ張って教えてくれたり。

なんかバランスがおかしいし、取入れる情報の取捨選択の部分は残念ではありますが、タクオには私にはない能力があるように感じます。

 

でも実際のところ、自閉症の子供は遅れを取ってしまってることが多いです。なぜか。

それはつまり感覚処理がうまく行かなくて、余分なことばかりに気を取られ、学習が遅れるため。感覚異常を抑えることが出来れば、本人が楽になり、異常行動も減り、学習が進む。

そのために漢方を使ってみるとよい、ということです。

 

具体的には、「大柴胡湯」と「抑肝散」という2種、朝晩各1包をベースに、個々の症状や年齢、体格に合わせて増減したり他の漢方を足したり替えたり、なのですが、その症例も本にはたくさん載っています。

 

多動に西洋のお薬を使って落ち着かせるのは聞いたことありましたが、まだ4歳なりたての子供にその類の薬を飲ませるのは正直抵抗あります。(お医者さんに勧められたこともないですけど)

でも漢方で感覚異常を整えられるのなら。本人が楽になって、行動が落ち着く、てとっても魅力的です。読んで即飲み始め、4か月ほどになります。

** 飲ませるにあたりちょっと調べたところ、漢方薬も副作用が全くないわけではないらしいです。

  でも私は親として、「漢方の副作用<感覚の正常化」 と判断し、自己責任で飲ませてます。

 

漢方薬の入手は、当初 ネット通販 +漢方薬局を利用しましたが、近所の小児科でも漢方を扱っていることを思い出し、電話で事情を話してお願いしたところ処方してもらえることになりました。自費で買うとひと月1万円程度かかりますが、病院で処方箋もらえたら保険適用です。

自閉症に対する漢方薬の知識を持ったお医者さんなんてなかなかおられないと思うので、的確なアドバイスをもらうことは難しいかもしれませんが、本の症例を参考にしながら相談して処方してもらいましょう。

 

さて、無事漢方薬を入手したら、次は漢方を飲ませるという超難関が待っています。

いろいろ試しましたが、タクオは朝は全然取れません。。。

特に暑くなってからは朝ごはん自体あまり食べなくて、大好きなジュースですらなぜか口にせず。ゼリーも大好きなので漢方入りフルーツゼリーなんかも作ったり、ミロとココナツオイルと漢方薬を混ぜて手作りチョコにしてみたりしましたが、何かを口に入れること自体拒否です。

卵やトマトは食べたりしますが、さすがに漢方を混ぜ入れることはできない。

飯田先生は、量はとても大切で、足りないために効かないということがあるので、きちんと分量とるように、とおっしゃってるんですけどね。。。

 

でも晩はアイスに混ぜて美味しく摂取できています。

アイスに混ぜてもなかなかの苦さなんですが、タクオは意外と抵抗なく食べます。ひょっとすると、漢方が体質に合っているか、身体が必要と感じるからかな、と思ったりします。

** なお、発達障害を持つひとは添加物を体外に排出する機能にも問題がある場合があると聞いたことがあります。そうでなくても小さな子供が市販のアイスを毎日食べるとなると少々添加物も気になるため、うちでは、牛乳400㎖+蜂蜜50-60㎖+スキムミルク30-40ℊ+ミロや抹茶などのフレーバー を混ぜ混ぜして冷やし固める、という超シンプルアイスを手作りしています。

 

さて、きちんと効果が出るだけの量飲めてないから、感想を語る資格はないのですが一応申しますと、目に見えてはっきり「効いてる!!」とまでは思わないけど、4か月前と比べると確かに落ち着いてる気がします。

外を歩くにも、一応親の位置を確認しながら、あまり離れずに歩けるようになり、安全な場所ではときどき手を離して歩くことも出来るようになり、売店などでちょっとした買い物をするときには「ここにいて」という指示に従って待っていられるようになり、目もよく合うようになり、話も少し聞けるようになり、だいぶ進歩しています。

単純に年齢に伴う成長もあるかもしれませんが。

 

また、重要なのは、漢方も幼い頃から飲み始めると体質を改善してしまうことが可能だということです。10年などかなり長い期間飲む必要はありますが、一旦体質が改善できてしまうとあとは飲むのをやめても後戻りしないんだそうです。(大きくなってから飲み始めると、ずっと飲み続ける必要がある) だったら小さいうちに親管理で飲ませてあげた方がいいかな、て思います。

 

なお、注意点として挙げておられたのは、

紹介されてる漢方薬は自閉症にしか効果がない。似たような特性を持つ違う障がい(ADHDや知的障がい)には効かない。

うまく感覚処理が改善しても、漢方にはそれまでの遅れを埋めるという効能はない。遅れを取り戻すには、先を行ってた子たちの1.5~2倍速など相当早く学習する能力が必要であり、そこまでの能力を持っている子は稀だということを忘れてはいけない(本人の能力次第)

ということです。

 

私は、まったく非科学的な療法や、危険を伴うこと、またはただのおまじない(ていうか詐欺?)と判断したこと以外、試してみる価値があると思っているので、漢方はひとまず続けていこうと考えています。