20年ぐらい前って

どんなだったろうか

 

その頃は夫が海外での仕事に行っていた頃

遊びに行きたかったけど

交際に反対されていて

仕事も休むことができなくて

という理由を盾にして

飛び出す勇気のない自分を守っていた

 

夫(そのころはまだ結婚前)は毎日電話してくれたが

今のようにスマホもなく

せめてインターネットでメールのやり取りができるようにと

渡航前に慌ててノートパソコンとデジカメを買い

使い方を教えてみたものの

結局使いこなせず

メールが送られてくることも

現地の生活環境の写真が届くこともなかったが

声だけは聞かせてくれたな

 

私も親もまだまだ若くて

必死で結婚に反対する親と

必死で結婚しようと諦めない娘

表立って自由に会うこともなかなかできず

家人が寝静まった夜中にこっそり家を抜け出してデートしたり・・・

 

 

 

恋愛は障害があるほど燃え上がる

自分も昔は周りから反対される中での恋愛だったのでよくわかる

悲劇の主人公になったような

ドラマティックなフィルターがかかって

何倍増にも心が震えてしまうわけである

 

不倫、しかもダブル不倫なんていうものは

いくつもそんな燃えポイントが重なり

体中がたまらなくゾワゾワしているに違いない

 

夫の彼女も その頃の私と同じ年ごろ

仕事も 恋愛も 人生全て

まだまだ元気だし

うまく回っているときには周りに怖いものはなく

事象なんでも好きなようにできそうな根拠のない自信をもち

上手くいかないことがあったとしても

やり直したり

次に進む余裕もある

 

今の私が無くしてしまったものを

彼女はたくさん持っている

もちろん今の年齢まで生きてきたからこそ得たものもたくさんあるから

何も持っていない訳ではない

 

夫との不倫恋愛に

ドキドキと胸をときめかせ

自分の夫(彼)からも不倫相手の私の夫からも愛されている充実感

相思相愛を確認して得られる

何にも代え難い精神的安定と喜び

 

そんな時間を生きている彼女が

私はうらやましいのだろう

私が得るはずのものを横取り謳歌しているずるい状態の彼女が

うらやましいのだ

 

愛されるのは私

 

分かち合うのも

教えられるのも

怒られるのも

構われるのも

突き放されるのも

心配されるのも

喜んでもらうのも

相談されるのも

愚痴られるのも

 

全部、全部

私のもの

 

 

もちろんこれら全てを無くしたわけではなく

夫は私にもうまいこと配分しているのはよくわかる

 

独占欲

執着心

 

これがなかったらもっと楽に過ごせるはず

だいたい、人の気持ちはその人のもの、

どう思おうが他人が采配できるものもなく

逆にしてはいけないものだから

他の人に心を移すのも夫の自由

どうこうできるものでもなく

仕方ないと諦めるしかない

 

嫉妬は醜い

醜い顔を夫に見られないように

よそ見した気持ちをまた振り向かせられるように

粛々と魂の質を落とさない生活をしなければいけない

頭ではわかってるのだが

やっぱりうらやましいと思い

嫉妬に身を震わせてしまい

涙がこらえられなくなるし

彼女を呪って呪って呪って・・・

 

だからといって彼女のことを認め 

愛をもって受け入れられるほど出来た人間ではない

 

 

ならせめて

 

「いいなぁ、うらやましいなぁ」

 

そう思おうと思う