昨日のカープ戦で思うこと。 | 喫茶ロマン~君もオレ流だろ~
昨日の阪神戦。

結果はご存知の通り、外野フライを追いかけた中谷選手と俊介選手が交錯し落球。
カープのサヨナラ勝ちでした。

ヒーローインタビューは同点打の會澤捕手とサヨナラ打の松山選手。

お立ち台の最後に松山選手が、恒例の『鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん。オレ、やったよ!』と叫ぶのを自粛し、阪神の選手を気遣ったコメントがネットで称賛されていました。

その一方、
『何故インタビュアーは、あんな状況で松山さんにいつもの振りをしたのか。』
『相手が怪我をしてんだから、インタビュアー空気読め。』
みたいな批判もありました。

今日は同業者としての意見を述べさせてもらいます。
あくまで僕の個人的な意見ですよ。


わざとやろ。

インタビュアーとして、そんな振りをせずに
『では、最後に一言。』って感じ無難に結ぶことも出来るんです。

『松山さん、球場のファン、テレビの前のファンの方、いつもの期待してると思いますよ。』
そんなニュアンスの振りだったと思います。

この自分の問いに対して松山選手が今日は断ると思ってるから、問いかけたんです。

それは何故か。
松山選手との信頼感ですよ。
というかカープの選手との。

僕らだってそうじゃないですか。
友達だったら、こういう時はこう返すなぁとか、
こういう性格だなぁとか。

今日は絶対に『オレ、やったよ!』をやらないと思ったから言ったんだと思います。

僕らインタビュアーは『相手が何を喋りたいのか。何がポイントだったのか』を一番に考えます。

インタビューされる本人だって
『今日のオレ。ここが最高だったんよ!みんな分かる?
やっぱオレすげぇじゃろ』
みたいなことを考えてるはずなんです。

でも、それを自分で言ってしまうと自慢に聞こえるし、カドも立つ。

だから、そこを僕たちが上手く聞くことによって
『あら、そう。そこまで言うなら、ほなら答えちゃろう。』ってなるんです。

今回の松山選手のインタビューに関しては普通にしてても、最後は阪神を気遣うコメントをしてたと感じます。

でも、そこで敢えてアナウンサーが振ることによって、

『うわっ、松山さすがじゃのぅ。』ってなるんです。

最終回、代打で出て来てセンターフライがエラーになってのヒーローインタビュー。
しかも、相手は怪我しとる。

本人だってお立ち台に上がりたくないですよ。

打ち上げた瞬間に『やってしもうた。』って思ったって言うんですから。

そこでアナウンサーが、あの質問をすることで、そこだけが切り抜かれて注目される。

ここでこの質問って、
きっとオレ批判されるんじゃろうのってアナウンサーも分かってますって。

でも、ボクサーがわざと打たせたボディブローが効かないように、
芸人さんが空気よんで自らスベることを選ぶように、
そういう時って僕らは批判されても平気なんです。

意図があるんだから。


偉そうに長々と書きましたが、
坂上さん本人に話を聞いたわけじゃないんで真相は分かりません。

シャダイカグラでG1を制した武豊騎手が『出遅れ』がわざとだったのか濁してたように、はぐらかされるかも分かりません。

ただ、あれだけカープのことを愛してて、スポーツアナとして第一線で活躍されている方が何の気なしに聞くもんかと。

ネットで批判ばっかされてんの見るのも、なんかちゃうなぁって思ったんで。

まぁ、ネタばらしみたいで僕の行為も粋ではないんですけどね。

言葉を生業とする以上、
僕もそこまで考えて喋らないかんと改めて考えさせられた昨日の夜でございましたとさ。

終わり。