今回は、前回に続いて、体の声を聞くということについてです。
体の声を聞くようにすると、空腹感や満腹感がわかるようになって、ちょうどいいところで食べ終われるようになる、とよく言われています。
たしかに間違ってはいないと思います。
でも、体の声を聞こうとしても、全然うまくいかなかったという人はかなり多いはずです。
いったい、なぜなのでしょうか?
そもそもどういうふうにして体の声を聞こうとしたのでしょうか?
たとえば、こんな感じではないでしょうか?
「おいしそうなハンバーグがあるけれど、食べた方がいい?それとも食べない方がいい?」
「ケーキかプリンを食べたらおいしいだろうなあ。でも、まず体の声をきいてみなければ・・・食べたい?それとも食べたくない?」
「おいしそうなカレーのにおいがすごく魅力的・・・体の声は、食べたいと言っているような気がする。」
これは、体の声を聞いたことになっていると思いますか?
かなり怪しいですよね。
こういう聞き方をしている場合は、頭、心、欲、食べたときの味のイメージなどに聞いているのであって、体に聞いているとは言えないでしょう。
子供に、「ジュース、飲みたい?」と聞いているようなものです。
「飲みたい」と返ってくるに決まっています。
のどが渇いていようがいまいが、ジュースは飲みたいと感じてしまうからです。
そんな聞き方では聞くだけ無駄なのです。
そんな聞き方では、体の声は聞こえてはこないのです。
子供が本当にのどが渇いているのかどうかを確かめたい場合は、「水を飲みたい?」というふうに聞く必要があるのです。(まあ、お茶でもいいですけど)
のどが渇いていなければ、「いらない」と返ってくるでしょうし、本当にのどが渇いていたならば、「飲みたい」と返ってくるでしょう。
魅力がありすぎて、刺激も強すぎる食べ物や飲み物を、食べたり飲んだりするところを想像すると、頭(脳)が興奮してしまって、体の声など聞けなくなってしまうのです。
だから、そうならない食べ物や飲み物で確認する必要があるのです。
のどの渇きなら、「水」で聞きましょう。
空腹感について、体の声を聞きたいならば、どんな食べ物を食べるところを想像すればよいでしょうか?
ちょっとだけ考えてみてください。
答えは、「白ごはん」です。
おなかがすいているのかすいていないのかがわからないときは、白ごはんを食べたらどんな感じになりそうかということを、おなかに(おなかの左側のあたりに)聞いてみてください。
本当におなかがすいているときは、白ごはんを食べたらおいしいだろうなあ、甘さもしっかりと感じられるだろうなあというふうに、白ごはんだけでも食べたいというふうに感じるはずです。
あまりおなかがすいていないときは、「白ご飯だけではちょっと食べたくないなあ、何かおかずか、漬物類がなければ、白ご飯だけではいらないかもしれない。」
というふうに感じるはずです。
ぜひ、試してみてください。
この感覚が本物の空腹感だなということが実感できて、コツさえつかんでしまえば、体の声を聞くというのは、そんなに難しいことではありません。
体の声は小さいながらも確かに存在しているので、うまく聞き取れるようになってくださいね。
本当におなかがすいているときには、白ご飯だけでも甘くておいしく感じられるので、それも実際に試してみてください。