何故、TR溝なのか!? | 機械工学部ゴルフ学科

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幾何学的、物理学的、力学的、科学的なゴルフへのアプローチ

何故TR溝なのかという質問を受けました。

 

こちらではなく、本家に書く内容だったため、本家の方に書きましたが、もしかしたらリブログしたい方もいらっしゃるのではないかと思いこちらにもアップします。

 

以下、本家から引用。

TRMIZO

「スイートスポットを外したストロークでは、ミスが伝達される確率は≒95%だと私(D.Pelzさん)は推定している。」

とパッティングの大家であるD.Pelzさんは言っています。

 この言葉は、2012年9月28日(金曜)にこのサイトで最初に公開した記事の「パター考察」の冒頭にも書いた言葉です。

その時の記事は、このように続いています。

パッティングは、ボールがグリーン面上を転がりながら、グリーンの傾斜(重力)の影響を受けます。それは、ボールの打出しが弱ければ、一定距離における重力の影響を長く受け、カップの手前で早く曲がり始めます。強ければ、一定距離を転がるボールの時間は短くなるので、カップを過ぎてく曲がります。これは、物理の法則を持ち出すまでもなく経験からわかることです。

「スイートスポットを外したパッティング」=「思い通りのスピードが得られないパット」は、ミスであるという事ですね。

もう少し解説すると、空中を飛ぶボールと違い、グリーンを転がるボールは斜面の傾きによって受ける重力の影響が斜面によってちがうので、初速の違えば、早くブレイクし、狙ったラインにのらずにカップ手前で止まるので、その95%がパッティングのミスとなるいっています。

TRMIZOGREEN

転がる距離が、少しだけ少ないだけで、ラインが違い、縦の距離だけではなく、横の距離も外れ、カップからボールが遠ざかるのでてしまうのでパットミスとなるのです。

2017-01-19

を読むとよくわかります。キンドル版がありますのでどこでも読めます。

TR溝ならば

treffect

ということで、1.5×1.5=スイートスポット面積が2.25倍広がり、スイートスポットを外す確率は半分以下になります。

実際には、パッティングの打点はスイートスポットを中心に正規的に分散しますので、周辺部にスイートスポットが広がれば、面積比以上の効果が期待できるといえます。

ここから、TR溝 EXPLAINED.~「TR溝」の開発背景に迫るから、パクリますよ~。(丁寧な言葉で言うと引用ですよ。)

再革新は2013年に。TR溝の登場。

2013年に登場したScottsdale TR (スコッツデール ティーアール)シリーズはカーステンの思想をもとにスイートエリアを最大限に大きくした新溝設計のパターです。この新溝はTR溝と呼ばれ中央部が深く、周辺部に向かって浅くなる事で初速が50%安定し、ミスヒット時でも距離のバラつきを最小限に抑えることができる設計です。
”TR溝の開発にあたって、我々は一般のゴルファーのミスヒットの原因であるボールの初速のスピードに着目しました。”
PING米国本社の製品開発ディレクターのDr.ポール・ウッドは語ります。
”初速が50%安定するという数字は、芯を中心に上トゥ側、上センター側、上ヒール側、中央トゥ側、中央センター側、中央ヒール側、そして下トゥ側、下センター側、下ヒール側のフェース上9箇所の打点において前作モデルより50%初速が安定した、という根拠から来ています。下のチャート図はフェース面上の9箇所で実際打った時の初速を基に算出した実測データです。
センターヒットをゼロとした場合、TR溝はオフセンターヒットした場合のボール初速(距離)の変化が少なくなります。これは打点位置が一定しないほとんどのアマチュアゴルフアーにとって、距離感を合わせやすい結果となります。”


Scottsdale TRの初速を表したチャート図。右の旧モデルに

比べフェースのどの位置にあたっても初速が安定している

ことがよくわかる


中央の芯に当てた場合の初速の突出具合に注目。 

 

パッティングの距離感が合わない最大の原因は、毎回同じ打点位置で打つことができない、つまり芯で打つことが出来ないからです。打点位置がずれると、同じ力・振り幅でストロークしても転がる距離が変わります。プロでも難しいとされる芯に当てる技術をTR溝というテクノロジーによってカバーしたのがTR溝なのです。
 

ロボットでもない限り、毎回同じ打点位置で打つことは不可能です。またプロのように毎日相当の練習を積まないと打点位置を一定にすることは至難の技です。

転がりの差は歴然。左が溝のないScottsdaleモデル、右がScottsdale TRモデル。コースでの3パットは距離感が合わないために起こる場合がほとんどです。 1mも2mもソッポに打つことはほとんどないが、1m・2mオーバー、ショートすることはよくあるはずです。

引用終わり

ここでエピソードをひとつKARSTN TRパターが発売委された当時、ゴルフ倶楽部ゴールドウインさん所属の奥村プロに試打していただける機会を得ました。上のことを、、まだ分かっていないときでした。
その時のプロのひと言「このパター転がりすぎることがないわね。」どういうことかお聞きすると、ほとんど本当の芯で打っていないが、普通は本当の芯で打ったときは転がりすぎるけどそれがないということでした。プロ:「転がりすぎることが困るのよ。」 プロもいつも本当の芯で打てないわけですね。
普段からプロと私たちと一番違うのはパターだと思っていましたが、本当にそうでした。本当の芯をしらなかったわけですから。あ~っ、そういうこと言ってみたいですね。

ということで

TR溝は

単に

スイートスポットを広げる

といだけではなく

スイートスポットエリアでヒットした

ボールの初速を一定

にする

効果

もあるというわけです。

 

PINGパターの相談はどちらでも受け付けますよ~(笑)。

まぁ、しかし、本当にちゃんと理論的に考えるメーカーだと思います。

 

加筆

プロとのエピソードで、本当のスイートスポットは非常に狭くて、毎回、その部分に当てることはできないから、「そこに当たるとラインが変わるからこまるのよね~。」
もしかしたら、世界には毎回、本当の芯で打てるプロがいるのかもしれませんが、この話でも、とんでもない話です。

本当の芯に当たることが困るって...........。

 

あと、TR溝は曲がりが少ないってことも言っていましたが、その時、「ボールに順回転を与えるために、ボールの下にヘッドが入るように打つのよ。いまの若い子は、そういうことはあまり知らないみたい。」、私とその場にいたフィッティングスペシャリストの方が打つと1m近く曲がるラインを、50cmも曲げないで打つんです。それは、カーステンが考えついたことです。重心が下がれば順回転する。あらためてライ角をフィッティングして、重心位置を下げることを思い知らされた瞬間でした。