紙に書いたものは、まだまだ強い~退職届はちゃんともらおう | 小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

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労働エッセイストの松井一恵です。小さい会社には小さい会社にしかできない労務管理の方法があります。
丸17年社会保険労務士として生きてきて、みんなに知ってほしいこと、未来に残したいことを書き残そうと思います。

見ていただいて、ありがとうございます<(_ _)>

ごきげんな職場づくりに精を出す

大阪のおばちゃん社会保険労務士松井一恵です!

 

さて、今日は「紙に書いたものはまだまだ強い」というお話です爆  笑

 

「だって、あっちが辞めるって言ったのに、なんで会社が責められないかんのムキー

というご相談がよくあります。

内容はさておき、会社の中でマズイことがあった時、社長は当事者の社員を呼んで話し合いをします。

話し合いの過程で、社員側から、

「やってられへん、辞めまっさ!!!」

と言われることがあります。

「あぁ、そうか、あっちから辞めてくれるんか、ラッキー拍手

ほっとして、話し合いを打ち切り、家に帰って、晩酌して寝ました。翌日、社長が

「で、昨日の話だけど、今月末ぐらいで退職ってことでいいね」

と社員に言ったところ、

「解雇だ!社長に解雇された!不当解雇だ!」

と大騒ぎされます。挙句の果てに、労働基準監督署に駆け込まれ、監督官から電話が入って、びっくり仰天。

「松井せんせ、どうしましょ」

・・・ほんと、どうしましょかねぇ笑い泣き

 

「社長、真実でも証明できなければ、なかったこととほぼ同じなんですよ」

 

「退職届書いてもらった?」「ないです」

「話し合いの録音ある?」「ないです」

「じゃ、話し合いの記録はあるの?」「そんなもん書いてない」

・・・真実は、言ったんだよね、「辞めてやる!」って、松井は信じます。

でも、表沙汰になった時、それを証明できるのかといえば・・・今、手許には何もない。

「何もないからって、嘘ついてるとは思わない。でも、証拠(か、それに近い推定ができるなにか)がないと、

あいつが言ったんだ~って、言ったところで、世間様は、なるほどねぇOKとは言ってくれないです。

どっちが本当かよく分からないから、監督官は電話をかけてきたんで、社長を責めてるわけではないですよキョロキョロ

と説明します。

 

どうすればよかったか、もうお分かりですね。

「辞めてやる」と言った瞬間に、「じゃ、これ」と退職届を差し出し、署名をもらえばよかったんです鉛筆

社員はよく「今、印鑑を持ってないから」というけれど、サインでOKなのです。

「日付とサイン」余裕があれば「理由」を書いてもらいます。

その一筆があれば、監督官さんも「ほるほどねぇ」となるわけです。

脅したり、だましたりしていない証拠に話し合いの録音があれば、尚ヨロシ乙女のトキメキ

 

じゃ、じゃすとなう、何もない状態で、今どうしたらいいか。

ありのままを話せばいい、「勘違いがある。解雇はしていないから、会社に出てもらいたいチョキ」と監督官(と社員)に言えばいいです。

その上で、「ほっとして打ち切った話し合い」のところまで時間を戻して、やり直します、面倒だけどね汗

 

 

書いたものが残っているって、いまだにやっぱり強いのです。

なんやかんやいっても、書類、だいじにしましょうねグッ

そういえば・・・

 

退職届?退職願?

あれ、どっちがどっちで、どう違うの?

っていうお話は、また後日バイバイ