日曜日の夜 | ピナ・コラーダ飲みたい。。

日曜日の夜

日曜洋画劇場が始まる頃になると、私は落ち着かない気持ちになります。

 

あー、もう週末が終わってしまうんだなあ。。

もうすぐおうちに帰らないといけないなあ。。

彼とまたしばらくお別れしないといけないなあ。。


週末だけ、私の近くに帰ってきてくれる彼。なのにその週末さえ、まだ帰る家は別々で。たとえほんの少しの時間でももう少し一緒にいたいのに…そんな思いも一緒になって、毎週繰り返して味わう同じ感情。

 

それを胸のうちにたたみつつ、彼の東京への移動の準備を手伝います。メールをチェックしながら、来週の仕事の下準備をする彼の横でできるだけ、邪魔にならないように。


液晶の画面をくいいるように見つめる彼。キーボードをたたく音が部屋に響く。その顔は、さっきまで私に向けられていた顔とは違い、目の表情は鋭く、口元にも緊張感が漂っていて近寄りがたい雰囲気すらあります。


そんな彼を見るととてつもなく寂しい気持ちに襲われるのです。あー、週末モードから平日モードに、彼は切り替えてしまったんだ、と…。


「じゃ、下まで送っていこうか」。支度もでき、仕事も片付けて、彼がこの一言を口にする頃には、彼の顔は最後の週末モードの名残を戻して幾分穏かになっています。いつもの駐車場までのお見送りは一種の儀式のよう。


初めはお部屋でバイバイしていたけど、いつの頃か扉を閉めた後、「がちゃん」と鍵のしまる音がするのがたまらなく悲しい、と訴えた私。その時から彼はどんなに忙しくても必ず送ってくれるようになったっけ。


車に乗り込む前、「来週も頑張ろうね」と言ってハグしてくれました。こみ上げる気持ちをぐっと抑えて、可動式の駐車場から車を出す私、キーを閉じてくれる彼。


窓を開けて、もう一度、「おやすみ」といいました。いつものように前の道まで出て、曲がり角から私が見えなくなるまで見ていてくれる彼に、ハザードで最後に挨拶して私たちの週末は終わりました。


また、一週間会えないね、ご飯ちゃんと食べてね、お仕事無理しないでね…角を曲がるといつも少しせつなくなります。だけど次の金曜日、顔を見るのを楽しみに頑張ろう、同時にそうも思えるのでした。