iPodとスローライフ

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こんばんは、龍司です。

先ほど東京はすさまじい夕立がありまして、

お酒を飲んだ私はクツ の中までぬれてしまいました・・・みなさん、大丈夫でした? 

お盆休みの方も多いのでしょうね。

 

 今月4日のiTune Music Storeの日本でのサービス開始 から一層盛り上がっているiPodですが、本日CNET Japanを読んでましたら興味深い記事がありました。

 森祐治さんの「スローライフを志向するiPodの強み 」というコラムです。(←タイトルをクリックすると記事を見れます) いつも「スピード 」のお話をしている私ですが、非常に共感するところがありましたので、本日はこのお話を。


 森祐治さんのコラムの一部をご紹介しましょう。(以下、引用


 Apple ComputerのiPodは、極めて単純なユーザーインターフェースを上品なデザインで仕上げた小粋な「情報家電」だ。国内家電メーカーのライバル製品はiPodになかなかかなわないでいる。その秘密は、iPodがデジタル情報家電でありながらも、極めてローテクな「スローライフ」を志向している点にあるのではないか。


 それに対抗するソニーのネットワークウォークマンや松下電器産業のD-Snapオーディオなどのポータブル音楽プレイヤーは、ハードウェアとしての完成度という点でも、その提供機能という点でも、テクノロジーとしては明らかにiPodに先行している。デザインという点ですら、先行していると思う人もいるだろう。

 しかしながら、それら日本製の「ハイテク」プレイヤーとiPodとの間には、競争力という点でいかんせん動かしがたい何かがある気がしてならなかった。そんなもやもやとした疑問を吹き飛ばしてくれたのは、本家Appleの方の「iPodはスローライフを目指しているんです」という一言だった。


 そんな点でiPodのスローライフ志向と、ケータイによるサル化とは、時代的に共鳴しあっているといえないか。例えばソニーは、あえて「機能を削る」という付加価値によって成功したウォークマンのルーツと成功体験を忘れ、ラジカセに代表される、「小さな筐体にこれでもかというほど多種多様な機能を押し込めたものほど優れている」という価値観=「過剰な弾み(Excess Momentum:経済合理性を超えて消費や投資を続けること)」を当然としている。

 だが、一方で僕たちはケータイによって、サル化というこれまでとは異なる快適な生活のあり方も見出してしまっている。シンプルなiPodは、ハイテクの進化とそれをそのまま受け入れた生活こそが唯一の道という価値観にアンチテーゼとしてのインサイト(知見)を与えてくれていたのではないかと思う。


 ハイパーアクティブで、オーバークロックな、そしてメタリックなイメージが先行しがちなハイテクの世界観とは、実は19世紀に描かれたSFの世界観=当時の社会状況と夢のテクノロジーの強引な合成写真でしかなく、テクノロジーの発展と相互作用を経たわれわれの嗜好とは本来的に異なってきているのだろう。

 テクノロジーによる文化の外部化の過剰な弾みの行き着くところ=サル化という新たなベクトルで文明を眺めたとき、利便性の向上とは特定機器のハイテク化/高機能化ではなく、ネットワークへの機能の分散や環境への埋め込みといったユビキタス化にあるのではないだろうか。
  (以上


 この森祐治さんの文章を私は大きくうなずきながら読ませていただきました。

この感覚は私も5年ほど前から感じてたものだったからです。               
 8月6日に「ネット音楽配信時代のアーティスト 」という記事の中で、私は以下のようなお話をしました▼


> 私は90年代に「打ち込み系音楽」が全盛の頃は、「音楽はどんどん機械化されてロボットのようになっていってしまうのかなあ」と思っていたのですが、2000年代に入り意外な展開になりました。

 すごくラフな感覚の音楽が流行るようになってのです。それはロックの原点に帰ったという意味ではなくて、特徴としては生楽器の音をサンプリングしてラフにリミックスした感覚。HIPHOPの良い影響が出たのかもしれないです。特にここ数年のU.Kから届けられる音楽は私が好きなものが多いです。
 「垂直思考」から「水平思考 」へ移行している感覚があります。

ロックからハードロックへ、完全打ち込み系音楽へ・・・と「垂直に」マジメに突き進んできた音楽の「山」が頂点へと到達する寸前に崩壊し、様々な「山」から素材をミックスした「水平」な感覚を持つ音楽が人気を得ているように思います。特にクラブでかかっているような音楽が気持ちいいですね。 (以上)


 この感覚に非常に近い。



※「水平思考」に関しては、群馬で働くtomiya社長 の記事がとてもわかりやすいです。⇒(記事はこちら「ウミガメのスープ 」)



 一昨日、「音声ブログ」をスタートさせた兄やん も、「スローリッチスタイル」を実践なさってますしね。

早くも起業、「プチセミリタイアもどき 」なさったそうで、うらやましいです。



 「スロー」というのは決して農耕民族時代に退化することではなく、産業資本主義以降に表れた新しいスタイルだと私は感じております。

 「ファースト」、忙しいというのは「産業資本主義」時代に会社の駒として働く労働者を象徴的に表す言葉だと思います。今まではそれでも給料も年功序列でそれなりに上がってきました。一億総中流!

 しかし、これからは忙しく単純に働くこのような「ファースト」なスタイルの労働者の収入は、どんどん減っていくでしょう。(⇒「コモディティ化」)

 逆に「経験」を創り、顧客を魅了し、思い出に残るサービスをできる人が収益を上げていく時代。

スロー」なスタイルは、楽しいだけでなく、儲けることにも繋がるのかもしれませんね!



 ※「コモディティ化」と収益の低下、「経験」による高い収益に関しては以前にもご紹介したB・J・パインII, J・H・ギルモア著「経験経済 」という本の中でわかりやすく書かれています。




 日頃、あれほど「スピード の時代」だとお話している私が「スロー」などと言うと矛盾しているようですが、私にとってはこれは同じことなのです。

 「スピード 」とは何のためにあるものなのか?

それは、単純作業にあくせくと忙しく動き回らなくても良いようにムダをなくして効率的に行うためにあるのであり、その結果、ゆとりの時間が生まれるのです。

例えば、動画をナローバンドで時間をかけてゆっくりダウンロードするのは、ただの時間の無駄でしょう。

ここをブロードバンドで「スピード化」 し、無駄な努力、忙しい時間を削ります。曲はリアル店舗へ買いに行かずにiTunes Music Sotreでダウンロードしてしまう。遠くのマイホームから都心への長い通勤時間を自宅で仕事することによって短縮してしまう、もしくは都心のマンションに住む。逆産業革命



 2つの「スロー」、2つの「スピード」




 この「スピード」に支えられた「スロー」な時間の中で、頭を働かせて人を魅了するサービスをつくっていく・・・・このスタイルを目指したいものです。


 2005年上半期のヒット商品1位のブログ にも、iPodと同じ感覚があるとも感じます。

私はブログにもiPodにも、新しい未来を感じております。


追加・・・・「ソニー VS アップル」に関連して、学生ホットラインさん が興味深い記事を書かれてます。

記事はこちら⇒「トヨタ VS ホンダ