「闘う前から負けていた」経験 | 動きの哲学、日常のヒント

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ピラティス、ストレッチ、ヨーガ、武道などの学びと想い。ピラティスの還暦男インストラクターが20年考えたこと

健康インストラクターのようすけです。
シニアのお客様を中心に、ピラティスを土台にした健康体操の講座を行っています。

 

 

今日は穏やかながら風の強い日でした。

五月の運動会の準備時期なのか、応援団の声が良く聞こえて、風に乗ってきました。

 

 

 

さて、ボディ&マインドの一例として、私の武道の試合の経験を話しますね。昔のことで恐縮です。つまらなかったらスルーしてください。

 

何の話かと申しますと、心の劣勢が動きにつながってしまうという例。
スポーツや武道だとハッキリ結果に出ますね。

 


かつて(本当に昔のこと)ですが、柔道の昇段審査の試合でのたこと。試合が始まる直前に、審判から注意を受けてしまったんです。なんの注意だと思います?

 

それは、胴衣の袖が小さすぎる(細すぎる)との指摘です。

因みに、講道館柔道試合審判規定では、「袖全体にわたって袖と腕(包帯などを含む)との間が10cmから15cmあること」とされており、これに合致していないと「失格」になる可能性があります。

 

⇩ 黄色の部分(腕と袖の隙間)に10~15センチの余裕が必要ということです。

 

 

⇩ 下記のように、引手として袖をつかむので、あんまりピチピチだと、つかみにくいのです。

 

 

また、技をかける瞬間にスッポ抜けて競技者に危険が及ぶ可能性もあるんですね。

 

 

柔道では、基本的な組み方として(変則もありますが)袖と襟をつかんで投げの動作に移行します。「袖が腕にフィットしそうなほど細い」と失格となるのは当然と言えば当然なのです。


 

 そしてこの時、私にとっては注意されたことが想定外で致命的でした。

 

審判が、私の対戦相手に尋ねたのです。何を尋ねたかというと


「君の対戦相手が、失格が疑われるほど細い袖の胴着を着ている。しかし、君が許可してあげるなら、彼に試合をさせてあげようと思うがどうする?」とのこと。

 

私は、もちろん相手がどこの誰で、どんな顔かも覚えていません。しかし、なぜか、その場の雰囲気だけ覚えているのです❗️

その場の雰囲気とは⁉️

 

圧倒的に、私自身が試合をさせてもらえるかの決定権が相手に委ねられた状況に、すでに私は劣勢という雰囲気。

 

そして、相手の返答は、、、

 

 「試合してもいいですよ」とのこと。


これはもう、対戦相手の許可を得て、試合をさせてもらえた状況。対戦相手のお情けで、私は試合の権利を与えらた、もうこの時点で私の負けのようなものでした。
案の定、負けました。

もちろん、その事がなかった場合に勝てたかどうかは分かりませんが、少なくともやる前に負けが確定した雰囲気になってしまったことは想像つきますよね(泣)。


 

心の劣勢が、勝負の負け、肉体的弱さにダイレクトに影響を与える実例です。
そういったことって、よくあるのかもしれませんね。

 

昔の振り返りの唯一のメリットは、いまの生活に仕事に人間関係に応用することです❗️

 

いま、ふと、そんなことをフッと、なぜか思い出すのは、そこから得られる教訓がいまの私や後進にとって必要なことだと、私自身の無意識が教えてくれているからだと思います。

 

では。