ウェストの引き伸ばしが、ピラティスではとても大事になります。
身長を高く保つようなつもりで、目線を高くするようなつもりで、身体全体を柔らかくスッと伸ばしてみます。
具体的には、骨盤と胸郭の間の距離が最大限に伸びるわけですね。
「パワーハウス」とも呼ばれている腹部の部分ともほぼ重なってきます。
「パワーハウス」とは、胸郭(肋骨)下から骨盤周りにかけての、腹部・腰背部の筋肉群の部分をいいます。
何層にも筋肉が取り巻いている部分です。
まるで、天然のガードルのように、腰を守っています。
一番外側には、腹直筋、いわゆる普通にいうところの腹筋ですね。
それから同じく表層の外腹斜筋という筋肉もあります。
そして、その内側に、内腹斜筋があります。
さらに、その内側に、腹横筋があるわけです。
この「パワーハウス」は、読んで字のごとく、パワーの源泉なのです。身体の動きは、ここから発します。
身体の力強さ、およびコントロールの中心です。
ピラティスのエクササイズによって、「パワーハウス」が強化されます。
このパワーハウスをもっと詳しく言うと、4つの筋肉の壁にかこまれて、まさにパワーの源泉をしっかりと形作っています。
4つの筋肉とは、上部の横隔膜、下部の骨盤底筋群、前側の腹横筋、後ろ側の多裂筋など。
この部分、つまり、胸郭・肋骨と骨盤の間には、背骨一本で他の骨格はありません。
ですから、ここはきちんと鍛えてケアしないと衰えていくわけです。
加齢とともに、ひしゃげて縮んできやすいのです。
縮むと、姿勢が悪くなり、また、腰や背中が凝りやすくなったりします。
ですからこの、パワーハウスのあるウェスト部分は、立ち姿勢では、しっかりと伸ばしてあげて、そして、エクササイズで筋群を鍛えていくといいのです。