入院ハイライト(入院(手術前日)〜退院まで)

入院から退院までのハイライトになります。手術自体はそんなに痛いものでも怖いものでもなかったので、これから入院される方、一例としてご参考までに。


■入院1日目(手術前日)
外来時に手術前検査をしていたので、この日はMR検査だけして、特にその他の検査等することなく過ごしました。麻酔医や主治医が来て、改めてリスクの説明を受け、いくつか同意書にサインしました。診察して頂いていた執刀医とは別の主治医の先生と初めてお会いしましたが、説明がわかりやすく、見た目はイケメン風でした。また、麻酔医の先生も個性的でいい感じでした。感じの良い先生たちのチームで良かったです。ちなみに、手術前なので絶飲食です。


■入院2日目(手術当日)
自分で歩いて手術室に。手術室の大きなモニターに自分の脳の写真が映し出されていたのが印象的でした。麻酔を嗅いだらすぐに眠ってしまい、起きたら手術終了。気づいたころにはICUにいました。

ちなみに、麻酔を掛けてもらう際の深呼吸は6〜7回目までははっきり覚えていて、ホントに効くのか一瞬不安になりましたが、その後は記憶が全くないです。なので、手術自体は開頭手術とは言え、もちろん無痛です。目覚めたら終了です。目覚めたときの記憶は、口からすでに管も抜かれており、本当に無痛でした。ただ、ほぼ裸なのでやや寒かったです。痛み、吐き気はまったく無いです。

ICUでは特に吐き気や頭が割れるような激しい頭痛はなく静かに眠れました。手術後はある程度苦しむ覚悟ができていたので、これは想定外のラッキーでした。軽い頭痛程度でした。ちなみに、今回の入院で一度も気持ち悪くなったことはなく、当然、吐いたこともないです。流石、脳ベラを使わない手術法だからなせる技なのでしょうか…

この先生、本当にすごい!!まさか、脳の手術なのに吐き気が無いとは…(笑)

正直、ちょっと感動しました。

 

肝心の痙攣ですが、この日はまったく出なかったです。


■入院3日目(術後1日)
午前中はまだICUでした。朝起きて、ふと気づくと性器に尿管が差し込まれていることに気づきます。太めのゴム管です。少し動くとムズムズしたりそれなりの刺激があるので気になって寝返りも打てずに、手術とは関係ない部分の頭が軽い床ずれ状態で痛かったです。すべて尿管のせいです。
(尿管は手術中に全身麻酔で眠っている間に差し込まれますので、差し込みの痛みは無いです)

朝に主治医の先生が顔を出してくれたので、「尿管抜いてください!!m(_ _)m」と懇願しました。OKしてもらえたので、とても幸せな気持ちになりました。思わず笑みがこぼれました。

通常は一般病棟に戻ってから尿管を抜くらしいですが、ICUで看護師さんに抜いてもらいました。抜いてもらう時の刺激ですが、初動は噴水みたいに激しくもらしているような感覚があり、その後、2回ほど電気的な刺激がありました。痛くはないのですが、電気的悶絶です。何故、2回ほど刺激があったのかは謎です(笑)文字にすると物凄く恐ろしいことに感じるかもしれませんが、せいぜい10秒程度の出来事なので、歯を食いしばっていれば一瞬で完了します。また、これが今回の入院で一番の山場であり、クライマックスであることは間違いないです。

そして、その後にCTを撮って一般病棟に無事に異動(?)になりました。

一般病棟に移ってから、すぐにトイレにいきましたが、軽く膿が出ていました。ただ、2回目のトイレからはスッキリで、特に悪化することなくキレイになりました。チンクダ恐るべし…

肝心の痙攣ですが、この日はまったく出なかったです。


■入院4日目(術後2日)
前日までの尿管のせいで寝返りが打てずに頭の一部に力が掛かってしまっていたために、その軽い床ずれが一日中痛かったです。手術創は特に痛みはないです。チンクダの影響をまだ引きずっている一日でした。この日は、看護師のサポートは一切不要で、一人で心電図のようなモニターのコンセントを外して、点滴を自分で持ちながら歩いてトイレに行ってました。

肝心の痙攣ですが、少し出てました。ただ、手術前と比べると格段に少ないです。


■入院5日目(術後3日)
夕方、首筋に軽い痛みがありましたが、痛み止めの飲み薬を服用したら治りました。この日に、点滴も外してもらい、体から全ての「管」がなくなりました。管が無いってことが、どれだけ幸せなことなのか噛み締めました。

また、先生の事前告知通り、耳が詰まってきました。左耳だけプールの中にいるようなイメージです。

肝心の痙攣ですが、かなり出ていました… 手術前と同水準。ただ、これも事前告知通り、術後に出てくるのでと言われていたので不思議と焦りはなかったです。出たり消えたりを繰り返して治ると。


■入院6日目(術後4日)
この日も特に激しい痛みはないですが、夕方に首筋に軽い痛みがでたので、痛み止めを服用しました。食欲が戻ってきました。差し入れのアイスや果物をかなり食べてしまいました…

肝心の痙攣ですが、ややありました。2〜3時間に1回(最大20秒レベル)程度の痙攣です。


■入院7日目(術後5日)
前日同様、この日も特に激しい痛みはないですが、夕方に首筋に軽い痛みがでたので、痛み止めを服用しました。日中はCT検査がありました。CT検査はMR検査と違ってさくっと終わるからいいですね。また、手術創とはまったく関係ない部分(手と腹)の皮膚が少しかぶれてきて痒みが気になりだしました。あせものような感じです。

肝心の痙攣ですが、前日同程度ありました。4〜5時間に1回(最大10秒レベル)程度の痙攣です。


■入院8日目(術後6日)
前日同様、この日も特に激しい痛みはないですが、夕方に首筋に軽い痛みがでたので、痛み止めを服用しました。日中はMR検査がありました。今回のMR検査はヘッドフォンなしなのと顔の上の鏡が無かったので閉所感がちょっと怖かったです。また、腹の湿疹のかゆみが悪化して気になり、睡眠が妨げられました。

肝心の痙攣ですが、ややありました。6〜10時間に1回(最大10秒レベル)程度の痙攣です。


■入院9日目(術後7日)
耳の閉塞感が大分抜けてきました。また、前日同様、この日も特に激しい痛みはないですが、夕方に首筋に軽い痛みがでたので、痛み止めを服用しました。午前中には抜糸(抜鉤)をしてもらい、シャワーOKが出ました。抜糸はまったく痛くないです。気持ちチクっとする程度です。

すぐにシャワーを浴びました。天国でした。3〜4回くらい髪を洗いましたが、ホントに幸せ。傷口はまったく痛くないです。

肝心の痙攣ですが、ややありました。半日に1回(最大5秒レベル)程度の痙攣です。


■入院10日目(術後8日)
午前中に退院です。入院費を払って終了(限度額適用認定証で20万くらい+差額ベッド代(個室希望だった為)20万円くらいの合計40万円弱)。パーキングの精算機みたいなのにクレカを入れれば決済できるので楽ですね!最後、先生にはお会い出来なかったのは残念ですが、外来でまた会うのでその時に御礼を言おうと思います。ちなみに、この日の痙攣は1日1回くらいでした。

(退院5日目(術後14日目)から痙攣はほぼ出なくなりました。痙攣量は耳の閉塞感と比例している気がします。)

 

 

■入院・手術の感想

入院・手術してみた感想ですが、MR検査で造影剤を使うことがなかったので、不快感のある検査は一度もありませんでしたし、手術は全身麻酔なので無痛ですし、手術後もちょっとした頭痛はあるものの吐き気や頭が割れるほどの痛みはまったく無かったです。ある程度の痛みは覚悟していたので、良い意味で意外でした。開頭手術って怖いイメージでしたが、子供の頃にやった虫垂炎(盲腸)の手術より個人的には楽に感じました。術後に普通にご飯が食べれたり、普通に排便排尿ができるのは大きいです。内臓系の病気だとそうはいかないので…

(あくまで僕の場合の体験談で、個人差はあると思います。特に吐き気が無かったのはラッキーなだけかもしれません。)

 

また、僕は対処療法のボトックスで一生ごまかして生きていくのは嫌だったこともあり、針とか神頼みみたいなのだとまず治らないと思っているので、手術して本当に良かったなと思います。元々、ボトックスも針もしたことは一度もありませんが…^^;

 

というのも、MR検査の写真を見れば一目瞭然ですけど、血管が顔面神経を明確に圧迫しているわけですから、この血管の位置を変えないと治らないことは僕みたいな医療の素人でもわかることなので、針とか神頼みとか本当に無駄だなと思います。どうか、変な治療をしようとする偽善者たちに騙されないよう気を付けてください。そして、とても残念ではありますが、どんなにマッサージをしても、どんなに食事を変えても、どんなにストレスフリーな生活習慣に変えても、ピクピクは根本的には治りません。早晩、悪化していきます。シンプルに、血管による顔面神経の圧迫が原因なので…
 

そのため、手術を選んだわけですが、幸運にも良い先生と巡りあえ、そして、手術が良い方向に行ったので、開頭手術なのに吐き気すら感じることなく手術して頂けましたし、長い間、生活の障害となっていたピクピクが消失したことで、ふたたび人の目を見て話せるようになったことは本当に感謝しかないです。


もちろん、数%の可能性ではあるものの後遺症で耳が聞こえなくなる可能性があることや、その他のリスクも全て承知して、リスクテイクして手術に臨みました。幸い、そういうことは起きずに生還できたのは感謝しかないですが、しっかりリスクテイクできる人は手術という選択肢はアリなんじゃないかなと個人的には思います。成功すれば本当にスッキリするので。一方、何かあった場合に先生に文句言おうとか、リスクテイクができない人は手術はやめた方がいいと思います。

何にせよ、5年近く悩んでいたピクピクを消失させてくれた先生に心から感謝します。正直、先生のファンになってしまいました(笑)


入院〜退院までのハイライトでした!退院後の経過はまた書きます。