前のブログで
赤ちゃんと絵本の初めての出会いを
ご紹介しました。
立ち会った大人にも幸せな時間でした。
こうして赤ちゃんの暮らしに絵本が
登場するわけですが、
その後、
絵本を楽しむことに慣れてきた頃に、
多くのご家庭がぶつかる問題が、
好きな絵本が偏る
例えば、男の子は乗り物好きが多く
それがママさんたちを不安にさせます。
うちの子、
車の本にしか興味が無いんです
でもそれって、いけないことでしょうか。
好きな物に出会うってすごく幸せなことです。
絵本が好きなら、どんな本だって
いいじゃないか
って思うんですけど。
乗り物の本を100冊近く買ってもらって、
夢中で読んで読み尽くし、
その後、何事もなかったかのように
別のジャンルへ移った子が
うちのお客さんにいます。
のめり込んでいた間、親子で
凄く幸せな時間だったようですよ。
わたしからしたらむしろ、
好きな物がある子はお奨めやすい。
まずは好きなテーマの絵本から入って
本は面白い!
という体験をしっかり積めば、
そこから先にいろんな世界が広がります。
だから、心配はご無用に。
で、この時期を過ぎた後のご家庭に
更に次なる問題。 笑
それは、家族で本屋にやって来て
1冊選んでいいよ!どの本がいい?と
お子さんに選ばせるようになるころです。
例えば、
気持ちが楽しくなる本
心の栄養になる本
があるとしたら、
パパ&ママが密かに期待するのは、
心の栄養になるような本を選ぶかな~
ですよね。
でも大抵の子は、自分で選べるのなら、
笑える本や漫画系の挿絵に反応します。
これ、予想できることだと思います。
もしそこが本屋でなくスーパーなら、
どれか一ついいよ、と言われた子が選ぶのは、
ちょっとジャンクなお菓子に決まっています。
ダイコンかって~
とかいう子がいたら、むしろ心配です。
ある時、お店に来ていた小学生に
この本どうかな? ↓↓↓
海の底は資源が少ないでしょ・・・
だから、クジラが死ぬとね~
とブックトークして渡した絵本を、
しげしげ、繁々、シゲシゲ・・・と
大変興味深げにしばらく眺めていましたが、
彼は大ピンチずかんを選びました。
そういう事なんです・・・。
クジラがしんだら …→
江口絵理文 かわさきしゅんいち絵
藤原義弘監修 童心社 本体¥1,800.
その年齢のお子さんも、
家族と食卓を囲むときには、
ダイコンと油揚げのお味噌汁をおいしい!
ときっと思う事でしょう。
こういう様子を拝見していると、
字が読めるようになったからと言って
本当の意味で本が選べる
という訳じゃないと感じます。
あ、違いますよね。
選べている!
けれど、栄養バランスが・・・。
だから、
うちの子の心の栄養にこの本を!
と思われた時には、
そのダイコン本は大人の方が選んで下さい。
食材を買いながらポテチを選ばせてあげる
スーパー方式を、是非、
本屋でも適用してあげてください。
けれど、こういう時がずーっと続く
という訳ではないんですよ。
大きくなるにつれ
自分の体を管理できるようなると同じように、
読み返すたびに心が満たされる本を、
身近に置きたいと思う時は、
いつか必ず来ます。
大人は、そこまで伴走したいですね。
絵本の入り口、読書の面白さ、
本の世界の広くて豊かであることを、
ちいさいお客様に案内する仕事は
なかなか面白いです。
こう来るか?
そう来たか!
本日の
新刊案内
メンダコにんじゃ
德野有美 作/ヒダカナオト 絵
岩崎書店/本体¥1500.
メンダコにんじゃは
海の底の平和を守っています。
ある時海の底のみんなは
タコノマクラを失くし
眠れなくなってしまいます。
そこで、メンダコにんじゃの出番!
よあけのはこ
ーアラスイカの昔話ー
ボブ・サム 語り/あずみ虫 絵
谷川俊太郎 訳/あすなろ書房/本体¥1500.
アラスカははじめ暗闇の世界でした。
なぜなら、太陽と月と星は、
長老が箱にしまっていたからです。
アラスカに光をもたらすため
ワタリガラスの取った策は?
クリンギット族を丁寧に取材して描かれた
アラスカの始まりの物語。
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