例年この時期、
前年発行の絵本を振り返って、
お取引先への絵本のご案内を作成します。
雑誌MOEなどで上がってくる作品とは、
若干(かなり?)
違う傾向ではありますけれど・・・。
今年も新学期に向け
その作業をしていたのですが、
対象年齢やジャンルを考えてリストを作ると、
どうしても入りきらない作品ができます。
乳幼児の体験と重ならないもの、
社会的体験を濃く反映したもの、
集団向けというより、
個人の蔵書にして頂きたいものなどは、
残念ですが、園向けリストからは外します。
だけど、リストには入れないものの、
これ、良いのよね~
という作品もご紹介していきたい。
そこで、割愛グループの中から、
店頭でじわじわ売れました!という作品を
ここに揚げてみたいと思います。
よかったなあ
まど・みちお あずみ虫
理論社 本体¥ 1,900円
自然の中に今いると思える爽やかさが
ページをめくるたびにあふれて、
読み終わる頃には
大いなるものに守られている感じに
包まれます。
ほんとうに、
よかった!と思えます。
まどさんの同題の詩を、
あずみ虫さんが、生命感あふれる絵で表現。
独特の立体感のある画風は、
アルミニウムのデコパージュによるもの
だそうです。
人間は料理をする生きものだ
森枝卓士 文・写真
福音館書店 本体¥1,400.
生きものはみんな食べますが、
その中で、料理をするのは人間だけ。
何故なら、人間だけが食べ物を、
そのまま食べられる体を持っていない
からだと著者は書いています。
そんな観点から世界を巡って取材した、
国際色豊かな料理の数々をまとめたのが
この本。
それからもう一つ他の生きものと違う事。
料理を分け合って一緒に食べるのは
人間だけだそうですよ。
しっぽばなし
アヌーシュカ・ラビシャンカール 文
ツシャール・ワイエダ&マユール・ワイエダ 絵
谷川俊太郎 訳
世界文化ワンダ−クリエイト 本体¥3,600.
勝手に動く自分のシッポが気に入らない猫。
新しい尻尾を捜しに行くものの、
結局
どの動物のしっぽも気に入らなくて・・・。
全工程を手作業で行う事で注目の
インド、タラブックスの作品。
独特の画風とユーモアが楽しめる1冊です。
3000部のシリアルナンバー入り。
クジラがしんだら
江口絵理文 かわさきしゅんいち絵
藤原義弘監修 童心社 本体¥1,800.
死んで沈んだクジラの体は、
光の届かない海の底にいる
様々な生き物たちの食べ物となって
彼らの命をつなぎます。
死からお話しが始まるので
どのように受け止められるだろうか
・・・とも思いましたが、
小さい人から大人の方までに
興味を持っていただきました。
暗い海底やそこに住む生きものたち、
死んだクジラを食べている様子までが美しく、
命というものの逞しさが感じられます。
この本は、園向けリストにも入れてみました。
以上、
あなたの本棚にお迎え頂きたい
選りすぐりの絵本たちでした。
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