本屋を始める前からですが、
わたしは、日本には二つの種族の小人がいると
ずっと信じていて、
もう大分大人になりましたが
(なり過ぎましたが・・・)
それは今も変わりません。
一番最初に出会った日本の小人は
コロボックルで、
シリーズを読破すると、いわゆるロスになり、
自分の生活圏の中に
彼らの痕跡をさがしたものでした。
その後、
倉本聰さんのニングルに出会いましたが、
人間の文明に翻弄される小人たちの話で、
衝撃的でした。
本の帯に作家の
「フィクションではありません」
という言葉が書かれていたのを、
覚えています。
コロボックルシリーズ
佐藤さとる(講談社)
ニングル
倉本聰(理論社)
※ 写真はいずれも私物です
コロボックルは身長数㎝らしいのですが
ニングルは15㎝くらいと少し大きい種族で
どちらも北海道にいたらしく、
ひょっとしたらアイヌのお話の中にも
隠れているのでは・・・と密かに想像しつつ、
そこまで調べることは出来ていません。
他に小人が主人公のファンタジーで、
いぬいとみこさんと、わたりむつこさんの
作品にも夢中になりましたが、
いぬいとみこ作
・・☆ 木かげの家の小人たち
・・☆ くらやみの谷の小人たち(品切れ)
わたりむつこ作
・・☆ はなはなみんみ物語全3巻(品切れ)
このふたつのシリーズには
コロボックルやニングルのような野性味よりも
小人だけど人間臭いものを感じました。
日本の小人のお話し限定ですけれど、
こうして長々と書いたのは、
今回は、それ以降に出会った
不思議な生き物たちのお話を
ご紹介したいと思ったからなんです。
行きますよ。
まず、絵本では、
ピコットの小さい読者に人気なのが、
じっちょりんたちのお話です。
☆じっちょりんのあるくみち
☆じっちょりんとおつきさま
☆じっちょりんのなつのいちにち
☆じっちょりんのふゆのみち
☆じっちょりんのたんじょういわい
かとうあじゅ/文溪堂
じっちょりんのあるくみち
花や葉を食べ、タネを蒔いて歩く人たち。
いえ、人たちと呼んでよいかどうか
わかりません。
何しろあまりに小さいので、
虫じゃないの?とか
妖精だろうと思うとか
様々意見があるのですが、
その生態は、
5冊の絵本で徐々に解明されてきています。
このシリーズを読んだ園児さんたちは、
お散歩に行くと、
草むらで彼らの痕跡をさがすそうですよ。
かじられた跡を葉っぱに見つけて、
じっちょりんたちが食べたんだよと
ウワサするのですって。
そして・・・そして、
ヤービ
カヤネズミくらいで、
ふわふわの毛に包まれた不思議な生き物。
作者は 小さな人 と呼んでいます。
ヤービはまだ子どもなのですが、
なかなかの冒険家です。
☆岸辺のヤービ
☆ヤービの深い秋
☆ヤービと氷獣(近刊)
梨木香歩作 小沢さかえ画 福音館
第一巻岸辺のヤービで
生徒たちと寄宿舎に暮らすウタドリさんと
自然の中で生きるちいさなヤービが出会って
物語が動き始めます。
第二巻ヤービの深い秋では、
子どもたちの成長を見守る学校関係者と、
寄宿生たちの成長、
ヤービたちの暮らしや文化が明らかにされて
読み手を引き付けます。
詳細な植物の描写に惹かれ、思わず
物語の途中で立ち止まってしうことも。
そして、今回出版の第三巻では、
寄宿舎の人々と、
湖沼地帯に暮らすヤービの一族の
二つの世界が、
重なり合ったりすれ違ったりしながら
物語が、それはそれはダイナミックに
展開するんですよ~。
実はわたし、
一足先にゲラ刷りで読ませて頂きました。
1巻2巻から進んで一挙に緊張度が高まり、
読んでいる間寝不足になってました。
何が起こるかお伝えしたくてウズウズしますが、
ここはぐっと我慢します。
2月末の刊行をお待ちください。
・・・と、新刊紹介を含めて、
ふしぎな生き物たちのお話を
ご紹介させて頂きました。
え?ホントにいるの?
という声も聞こえてきますが、
生き物図鑑に載っていないから
いるはずがない、と
決めてしまう事でもありませんよね。
ふしぎな生き物たちの存在を感じられるのは
幸せなことだと思うんです。
いかがでしょうか・・・。
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