前回デジタル環境についての書籍を
ご紹介しましたが、
それに加えて
わたしの考えを少し書いてみます。
お話を楽しむツール、という意味で
ひとくくりに考えられがちですが
「動画」と「絵本」は全く違うという事について。
お店では、生後3~4か月の赤ちゃんと
初めての子育て中のご両親に、
絵本を読んでご紹介しています。
見やすい距離で絵本を開いて読み始めると
(どんな絵本でもいいわけではありませんけど。)
赤ちゃんは、コンデションさえよければ、
じっと絵本を見てくれます。
ページをめくると視線が付いてくる
他のことをしなくなる
(↑周りを見るとか、手足をうごかすとかの)
という様子から、
興味を持って見くれていることが分かります。
ファーストブックは
短い内容を繰り返すパターンが基本ですが、
繰り返しに任せて読み進んでいると、
赤ちゃんが、ページとページの間を
イメージでつなげている様子が、
感じられるんですよ。
たとえばこの絵本なら~
松谷みよ子/瀬川康夫
童心社/本体¥700.
最初に、手で顔を隠したくまさん。
次のページでは、
ばあ!と顔を出した場面。
その2場面の間の動きを、
想像できたとき、
赤ちゃんはにっこりします。
絵本の絵で説明すると分かりやすいのですが、
著作権を侵すことになるので
ここは、ミトン人形のイラストを代役に立てます。笑
こんな感じでお分かりいただけるでしょうか?
絵本では
ばぁ!をしたページのくまさんが、
顔を出すのは勿論のこと、
ひげもシッポも足も動いたように描かれて、
赤ちゃんがイメージするのを助けてくれます。
実際どんなイメージが思い浮かんでいるかは
読み聞かせしている大人にはわかりませんが、
両手をつかってばあをするしぐさに、
赤ちゃんは、見覚えがあるはず。
だから、⇒のところをイメージできると、
大人にあやされた時のゆかいな気分が
思い出されるのかもしれませんね。
繰り返えされるいないいないばあの場面を
一緒に見ながら
おもしろいね~
という視線を、聞き手と読み手で交わすのは
本当にいい時間です。
さて、これに対して動画。
動画は音も動きも含め、
ダイナミックに見せてくれるかもしれません。
でも、それは動画を作った誰かのイメージで、
絵本を見ている時に浮かぶイメージは
赤ちゃん自身のものです。
見えないものを想像する
そのイメージを他者と共有する
それが人間を人間たらしめるものだと
言われていますね。
まだお世話をされないと生きて行けない
小さい人にも、その
イメージする・イメージを共有する
という力を感じて
人間の育ちってすごいな!と感じます。
そんな人としての育ちを、
わたしたち大人は、
大切にしなくてはいけませんね。
応援よろしく!