動画と絵本は全然違う | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

前回デジタル環境についての書籍を

ご紹介しましたが、

それに加えて
わたしの考えを少し書いてみます。


お話を楽しむツール、という意味で

ひとくくりに考えられがちですが
「動画」と「絵本」は全く違うという事について。

お店では、生後3~4か月の赤ちゃんと

初めての子育て中のご両親に、
絵本を読んでご紹介しています。

見やすい距離で絵本を開いて読み始めると

(どんな絵本でもいいわけではありませんけど。)
赤ちゃんは、コンデションさえよければ、

じっと絵本を見てくれます。


グッ ページをめくると視線が付いてくる
グッ 他のことをしなくなる

  (↑周りを見るとか、手足をうごかすとかの)

という様子から、
興味を持って見くれていることが分かります。

ファーストブックは

短い内容を繰り返すパターンが基本ですが、

繰り返しに任せて読み進んでいると、
赤ちゃんが、ページとページの間を

イメージでつなげている様子が、

感じられるんですよ。飛び出すハート

 

たとえばこの絵本なら~

 

 

 
いないいないばあ

松谷みよ子/瀬川康夫

童心社/本体¥700.

 

 

最初に、手で顔を隠したくまさん

次のページでは、
ばあと顔を出した場面。

その2場面の間の動きを、
想像できたとき、
赤ちゃんはにっこりします。

 

絵本の絵で説明すると分かりやすいのですが、

著作権を侵すことになるので

ここは、ミトン人形のイラストを代役に立てます。

こんな感じでお分かりいただけるでしょうか?

 


 

絵本では
ばぁ!をしたページのくまさんが、
顔を出すのは勿論のこと、

ひげもシッポも足も動いたように描かれて、

赤ちゃんがイメージするのを助けてくれます。

 

 

実際どんなイメージが思い浮かんでいるかは
読み聞かせしている大人にはわかりませんが、

両手をつかってばあをするしぐさに、

赤ちゃんは、見覚えがあるはず。

だから、⇒のところをイメージできると、

大人にあやされた時のゆかいな気分が

思い出されるのかもしれませんね。

 

繰り返えされるいないいないばあの場面を

一緒に見ながら
ニコニコ おもしろいね~
という視線を、聞き手と読み手で交わすのは

本当にいい時間です。

さて、これに対して動画。

動画は音も動きも含め、

ダイナミックに見せてくれるかもしれません。
でも、それは動画を作った誰かのイメージで、
絵本を見ている時に浮かぶイメージは
赤ちゃん自身のものです。

クリップ 見えないものを想像する
クリップ そのイメージを他者と共有する
それが人間を人間たらしめるものだと

言われていますね。

まだお世話をされないと生きて行けない

小さい人にも、その
イメージする・イメージを共有する
という力を感じて
人間の育ちってすごいな!と感じます。

そんな人としての育ちを、
わたしたち大人は、

大切にしなくてはいけませんね。

 


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