生成AIと著作権のこと | ほんとうのピコットさん

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子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

生成AIが話題になっています。
苦手な画像処理など
これを使ったら上手く行くかな・・・と
思わなくもありません。

でも、著作権のある商品を取り扱う立場として
よく考えなくてはいけないなあ・・・

と感じる事がありました。

7月初めの事だったと思うのですが
アニメ音楽のコンサートのチラシに

生成AIの画像が使われ、

それを知った声楽家さんが
予定していた出演を辞退されたという

報道を目にしたのです。

生成AIの利便性の一方で
アニメなどのクリエイターの作品を
不適切に“元ネタ”とするなどの
権利侵害のケースがあることに危機感をもつ


だから生成AIを利用する企画には出ない
というのが、

この声楽家さんの出演辞退の理由です。
世の中の流れに対し
しっかりと意見を表明されたのですね。

クリエイターの立場を考えての行動に

アニメファンの方からも
賞賛の声が上がっているようでした。

加工した画像に対しては

報道関係も厳しくなっていますが
生成AI問題も大いに影響しているのでしょう。
イギリスでも

皇太子妃の公表した画像が加工されていて、

問題視されましたね。


お店でのことです。
まだ文字の読めないお子さんも

表紙絵を見たり読んでもらったりして

自分で絵本を選びます。


ある時、3歳くらいのお客様が
「おんなじ!」(だからこれにする)
と、嬉しそうに手にした絵本がこちら↓でした。

 

 



おいていかないで

 

筒井頼子 文 / 林明子 絵

福音館 本体¥900.

 

その前のご来店では

こちらを買ってもらっていた彼女。

それで、林明子さんの絵が

大好きになったのですね。

 

 

 

おでかけのまえに

 

筒井頼子 文 / 林明子 絵

福音館 本体¥900.

 


だから、表紙絵を見ただけで、

同じ作家さんの絵と気付いたのです。
この年齢でも、直感で、
好きな作家さんの作風がわかるんだと
感心したのでした。

文章も同様で、
わたしたちは、内容を読むと同時に
文体も味わっています。
だから、多分、
ご本人以外の誰か(何か)が手を加えたら
分かるのではないかと思います。
・・・というか、
分かる人でありたい気づきですね。



生成AI、便利ですけど、
何もないところから作り出すのではなく
データの加工です。

それが著作権を侵していないか。
その事を考えず便利を享受するのは違う。
声楽家さんの出場辞退の理由に触れ
改めて思います。

著作権を預かる仕事をする者として

文や絵のオリジナリティが
守られているかという視点でも
生成AIの今後を注目していこうと思います。

 

前述のコンサートの件につきましては

下記を検索すると記事が読めます。(本日現在)

<高橋洋子「生成AI」理由の出演辞退に反響「アニメと真面目に向き合っている」「勇気ある決断」 (msn.com)>

 

※※

ちなみに、

このようにブログに表紙絵を掲載する場合の

許諾についてですが、

書店は、出典を明記するという条件で

表紙絵と内容2面までが許可されています。

そのような立場で当店が作成していますので、

画像の転載はご遠慮ください。

 

 

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