怖いお話との付き合い方 | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

絵本選びのお手伝いで、
小さいお客様に

絵本を読ませてもらう機会があります。

 

ぴったりの絵本だった場合、
まるで乾いた砂に水が染みるように、
聞き手の中にお話が広がっていくのを感じます。

反対に、

す~っと入って行く感じがしないときは、

このお話あんまり好きじゃないね?

と、さっさと撤退。バイバイ 

別の絵本に取り替えです。


さて、染み入る方のケースですが、
あまりにお話に入り込みすぎて、
聞き手のお子さんを、

怖がらせてしまったことがありました。アセアセ
と言っても、一緒に読んだ絵本は、
お話のはじまりで安全策が示されていて、
安心してスリルを味わえるタイプの

お話なんですけどね。

 

 

 

おおさむこさむ

小出保子 文・絵 

福音館書店 本体価格¥900.

 

 

一緒に遊んでいたかわいい雪だるまが、

雪を食べて
どんどん大きくなっていく。
その様子を見たきっこは、彼らが、

おおばあちゃんに聞いた
ゆきぼうずであることに
気付くのです。

おなじみ、キツネのきっこと、

2匹のイタチのシリーズ冬の巻です。

 

 


お話の中の雪だるまが、
ページをめくるたびに、
どんどん、どんどん・・・

大きくなって雪坊主になっていく、
という場面が怖かったらしく、
目
この絵本を買ってもらうどころか、
それからしばらくは、
きっこの絵本の棚の前を通ることも
出来なくなった彼女でした。

 

も~しわけない ・・・ お願い

 

そこまで怖くなる前に

やめたらよかったのに、
何しろ小さな時からのお付き合いで、
いつも一緒に絵本を読む仲だったので、
わたしとしては、
二人でいるのだから大丈夫!

(↑お話世界で、ってことです・・・)
と思い込んでいたのですよね。


もう15年くらい前のお話ですから、
その時の彼女は今は大学生です。


ななちゃ~ん、あの時はごめんよ~!

 

こういう失敗も時には引き起こしますが、
でも、だからといって、
怖い場面のあるお話はだめだなんて、
思っている訳ではいないんですよ。

 

むしろ、お話の中で、、
賢さや勇気で危機を切り抜ける疑似体験は、
生きていく上での支えになると思います。

この絵本の中でも、きっこは

おおばあちゃんのアドバイスを覚えていて、

事なきを得ましたから。

 

ただ、読むタイミングや、
聞き手のコンディションには、
充分配慮したほうがいいと思うのです。

 

 

ところで、
わたし自身のことなのですが、
物語を読んでいて怖い場面になると、
おばけくん
してはいけないことを
つい、実行してしまいます。

 

途中を飛ばして最後のところを読んで、
主人公の安全を確認するのです。 


そんなことしたら読む楽しみが半減する・・・
それは分かっています。

そもそも児童文学では、
ハッピーエンドが約束されていることも、

頭の中ではわかっているのです。

 

それでも、怖いものは怖い。ドクロ
怖いけど読みたい。ドクロ
空想世界に入り込みすぎですよね~。

 

で、後ろめたい気持ながら、
こっそり最後のページをめくってみる。
それがわたしの、
怖いお話との付き合い方です。
てへぺろ

 

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