一般書店では、
ひとり音読している大人の人・・・
というのは見掛けませんけれど、
お子さんと児童書店にお越しになる時は、
読めない年齢のお子さんの場合、
お父さんやお母さんが読んで聞かせて、
どの本を買うか決める事になります。
その様子を聞くともなく聞いているんですが、
みなさん、すごくお上手なんです。
棒読みでもなく、
かといって大げさでもなく、
とても自然な読み方をされます。
ひと昔前というか、お店を始めた頃には、
こんな事を言うのもあれですが、
読んで聞かせるということに不慣れな方も
多かったです。
最近のママ&パパは、
人前で読んだり歌ったりに抵抗のない世代で、
楽しんで声を出せる、
ということがあるかもしれません。
図書館や子育て支援の場で、
読み聞かせを聞く体験もされているのでしょう。
ところで、小さい人たちにとっては、
お父さんやお母さんに読んでもらうのは、
子育て支援の読み聞かせボランティアさんや、
保育士さんや司書さんに読んでもらうことと、
決定的に違う点があるだろうと、
わたしは思っています。
仲間と一緒にお話の中に入って、
みんなで盛り上がって、みんな一緒に戻ってくる、
それが、外での読み聞かせの楽しみ。
反対に家庭での場合には、
途中で止まったり、好きな場面は何度も繰り返したり、
おしゃべりを挟んだりのような、
寄り道よそ道もあり!だと思うのです。
だって、
お家での読み手、つまりパパ&ママは
お子さんが独り占めできる人ですからね。
自分の気持ちに合わせて、
立ち止まったり繰り返したりしてくれる読み手と辿るお話は、
読み聞かせのプロの完璧な読み聞かせとは、
また違う嬉しさがあるのではないでしょうか・・・。
え?
読んいる途中でおしゃべりしていいんですか?
そう思われる方もあるかもしれませんが、
何といっても、
おうちはパジャマの場所ですからね。
大人だってスーツを脱いでくつろいでいます。
子どもたちもおうちでの読み聞かせは、
<きちんと聞くこと>だけを
求められることはないでしょう。
園で読んでもらった時にはよく見えかった場面を、
心ゆくまで眺めたい時もあるかも知れないし、
たまには、途中で気分が変わって、
「もういい」
ってなることもあるはずです。
最後までじっくり聞けない時があったとしても、
家庭では同じ本を何度も手にすることが出来ますから、
繰り返しているうちに、
<おしまい>まで行けたらOKと思ってくださいね。
小さな聞き手の心にそのお話が届くまで 、
待つのも、大人の楽しみですから。
ただ、聞く気持ちのないお子さんの前で、
無理に読み続けることはお勧めできません。
<最後まで>に拘るよりも、
聞き手は心を開いているか、
聞き手に届いているか、
聞き手の気持ちに添ったおはなしか、
ということに心を配っていただけたらと思います。
もちろん、
読み手と聞き手が一緒に、
うまくお話の中に入り込んだ時には、
途中でやめるなんてできる筈もありませんよね。
うちのお客さんのお宅でのことなんですが、
切ない場面のあるお話にすっぽりはまって、
ママとお子さんでわんわん大泣き。
そこへ帰ってきたパパが、
一体何が起きた
とその様子に大そう驚いた ・・・
と、そんな経験談をお聞したことがあります。
そうそう、ちょうど1冊、
ご家庭用にぴったりの新刊が届きましたので、
ご紹介しますね。
ほげちゃんとおともだち
やぎ たみこ/偕成社 /本体¥1,000.
やんちゃだけど憎めないぬいぐるみ
ほげちゃんのシリーズ4冊目。
ほげちゃんが活動的になる場面では、
登場人物たちのたくさんの動きに
説明やセリフがぎっしり。
このタイプの絵本は
集団の読み聞かせよりも、
好きな場面を好きなだけ見られる、
<家読み>に奨めです。
応援よろしく!
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