嘘とフィクションのあいだ | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

前のブログは、「人はみんな嘘をつく」という、
何やら失礼なタイトル。
「人はみんな・・・」には、読んでくださる方も含まれますものね。

 

ところで、最近手にした新刊絵本は、 
なかなか衝撃的な展開のお話でした。
主人公の少女の嘘がきっかけで、
新しい仲間と心が通うという物語です。

 

テーマは嘘をつくことの善し悪しではありません。
嘘が、仲間で共有する空想物語へと広がっていく様を描いて、
それはそれは説得力があります。

 

ざっとあらすじをお伝えしましょう。

 

コレットの にげたインコ

イザベル・アルスノー 文・絵 ふしみみさを 訳

偕成社 本体¥1,400.

 

 


コレットは、引越し先でもやっぱり、
ペットを飼わせてはもらえない様子。
納得いかない気持ちを抱えたまま外に出ると、
この街の知らない子たちが声をかけてきます。

 

 女の子3 ペットが逃げたので探しているの。

 

といってしまったコレット。

 

 おとこのこ どんなペット?
 おとこのこ女の子。 どんな色?
 おとこのこ女の子。女の子。 どんなふうに鳴くの?

 

と聞く子どもたちに思いつくまま答えているうち、
綺麗で賢くて、
その上勇敢なインコのイメージが出来上がっていきます。

 

コレットの紡ぎ出す空想物語に、
いつの間にか、他の子どもたちも参加し、
インコの物語は大いに盛り上ります。

 

やがて、

ごはんができたわよ!
というママの声が聞こえて、
現実世界に呼び戻された子どもたちは、

 

おとこのこ女の子。女の子。 

またね!
今度もっと聞かせて!


とサヨナラを交わします。

 

空色のインコのことがコレットの空想だと
子どもたちはどの時点で気付いたのでしょう。

彼らはコレットのフィクションを共有し、
彼女を責めるどころか、
一緒にその世界を大いに楽しんだのでした。

 

始まりはコレットの嘘。

どんどんイメージを膨らませていくコレットの、

<滑る口>に、
わたしは、ハラハラ、ドキドキ・・・。
ねえ、もうやめておこうよ、みたいな気持ちになりました。

共犯者(?)になれない、

残念な大人読者。アセアセ


その点子どもたちは躊躇なく、
コレットの話にどんどん乗り、
その空想物語の一端を担って楽しむのです。


わたしはフィクション系読み物が好きですが、
例えばファンタジーなど、
有り得ない大嘘の中に、
真実が埋め込まれた物語、と言っていいと思います。

 

嘘は罪で、
フィクションは文芸作品?

どこが、どう違うのでしょうね。

 

子ども時代というのは、人生のお試し期間。
だから小さな嘘のお試し使用も、

よかったらどうぞ。
幸せな嘘をつける、

素敵な大人になるための練習です。
そんなふうに考えたら、
我が子の嘘に遭遇した方も気が楽になりませんか?

 

お試し期間を有意義に過ごすために、

さまざまなケースで上手く手を貸すことのできる、

大人がたくさんいてほしいですね。

 

 

応援よろしく!


読み聞かせランキング